新規の作用機序による悪性リンパ腫治療抗体の樹立~がん細胞に大きな穴をあけて破壊する~
2016年4月6日 順天堂大学
詳細は、リンクを参照して下さい。
---------------------------------------
本研究成果のポイント
・免疫細胞や補体を必要とせず
直接がん細胞を破壊する抗体を樹立
・本抗体は耐性株が出現し治療抵抗性を
得た再発がんにも高い効果
・再発悪性リンパ腫や成人T細胞白血病の
患者さんに対する新規治療薬開発の
可能性
-----
概要
順天堂大学医学部病理・腫瘍学講座の
松岡周二助教と理化学研究所統合生命
医科学研究センターの石井保之
(ワクチンデザイン研究チームリーダー)
らの研究グループは、悪性リンパ腫細胞や
成人T細胞白血病(ATL)*1細胞を
今まで知られている仕組みとは異なった
機序で死滅させる抗体
(4713モノクローナル抗体:mAb4713)を
樹立しました。
これにより、今までの抗がん剤や
分子標的薬で治療できなかった患者さんや
再発した患者さんに対し、
効果的な治療薬の開発が見込まれます。
本研究成果は米科学雑誌プロスワン
「PLOS ONE」に
(日本時間:2016年3月31日)
公開されました。
---------------------------------------
良さそうです。
>本抗体はHLAクラスII分子群のDP、DQ、DR
>のいずれにも反応することから、
>がん細胞に生じた一つの遺伝子変異
>では、がん細胞はこの抗体の攻撃から
>回避することが出来ません。
>したがって本抗体存在下では、
>従来の分子標的薬に比べ、
>耐性がん細胞の出現を抑えることが
>できます。
>また、この抗体は補体やADCC
>(抗体依存性細胞傷害)活性*4に頼らず、
>腫瘍細胞に直接巨大な穴を開けて
>破壊する(アナポコーシス)
>新たな作用機序をもつため(図2)、
>再発例も含めた悪性リンパ腫や
>白血病の患者さんに対して
>効果的な治療効果を発揮できると
>考えられます。
>したがって大変有望な抗体医薬候補
>となります。
大いに期待したい。
製薬会社が興味を持ってくれると
良いのですが、
| 固定リンク
« 低濃度の金属廃液から金とパラジウムを効率的に回収~硫酸性温泉に生息する紅藻の優れた能力活用の可能性~ | トップページ | 富士フイルム、骨欠損部への人工タンパク質移植で骨再生能力を大幅に向上 »
「医療関連ニュース」カテゴリの記事
- iPS細胞由来の免疫キラーT細胞を用いることで悪性リンパ腫の治癒に成功〜難治性NK細胞リンパ腫に対する新規細胞治療法へ期待〜 (2019.10.14)
- 炎症反応を強力に抑える活性イオウ誘導体の開発に成功(2019.04.16)
- 皆保険制度の国で在住外国人に健康格差の懸念 ~ 富裕層対象の医療政策導入で悪化の恐れ日本人医師グループが英医学誌で注意を促す ~(2019.03.13)
- 脳腫瘍に対するウイルス療法の医師主導治験で高い治療効果を確認―日本初のがん治療ウイルス薬の製造販売承認申請へ―(2019.02.18)
- 国内初の医師向けオンライン診療手引書が完成 -安全で質の高い遠隔医療の普及に向けて-(2019.01.13)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント