垂直はしごから滑落を回避し既存より12倍速く昇降可能な新・脚型ロボット、誕生~内閣府のタフ・ロボティクス・チャレンジによる災害対応ロボット、新しいアルゴリズムの開発へ~
平成28年2月16日
早稲田大学
三菱重工業株式会社
科学技術振興機構(JST)
内閣府政策統括官
(科学技術・イノベーション担当)
詳細は、リンクを参照して下さい。
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ポイント
○全身の各質点の運動と把持点での
反力を適切に制御し、2点支持
においても滑落が回避可能な
垂直はしご昇降アルゴリズムを開発。
○2肢を同時に次の桟に移動させる際
にも機体の滑落が回避可能になり、
1肢ずつ動かしていた3点支持に比べ、
12倍速い垂直はしご昇降を実現。
○垂直はしご昇降アルゴリズムを
応用することで、垂直はしごへの
取り付き動作を実現。
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内閣府 総合科学技術・イノベーション
会議が主導する革新的研究開発推進
プログラム(ImPACT)
タフ・ロボティクス・チャレンジ
(プログラム・マネージャー:田所 諭)
の一環として、早稲田大学 理工学術院
創造理工学部 総合機械工学科
高西 淳夫(タカニシ アツオ)教授、
早稲田大学 高等研究所 橋本 健二
(ハシモト ケンジ)助教、
三菱重工業株式会社らは、脚型ロボットの
ための2点支持による垂直はしご昇降が
可能なアルゴリズムを開発し、
1肢ずつ動かしていた3点支持に比べ、
12倍速い垂直はしご昇降を
実現しました。
プラントや発電所内を移動するため
には垂直はしごを使うことは必須であり、
災害が発生した非常時だけでなく、
平常時にも老朽インフラ/プラントの
保守点検・災害予防のために
この災害対応ロボットが運用できます。
これまで垂直はしごの昇降は、
滑落防止のため4肢のうち3つを固定した、
3点支持のみでしか実現されておらず、
この方法では、昇降にかかる時間が
極めて長いという課題がありました。
また、人によるはしごへの
取り付け作業が必要となっており、
はしごへの取り付きから昇降という
一連の動作の実現には至っていません
でした。
今回、脚型ロボットを多質点モデルで
近似し、全身の各質点の運動の影響を
考慮し、把持点での反力を活用する
新たなアルゴリズムを開発することで、
左手左足あるいは右手右足の2点支持
による垂直はしご昇降を可能としました。
本アルゴリズムにより3点支持に比べ、
12倍速い垂直はしご昇降を実現しました。
また、本アルゴリズムを応用することで、
垂直はしごへの取り付き動作も実現しました。
本成果は垂直はしご上で機体が滑落しない
ための安定判別規範にもなります。
そのため、災害時に垂直はしごが
変形したようなタフな環境においても、
滑落しないような運動生成が可能になり、
さらに垂直はしご昇降中に
外乱が加わっても把持点での
反力を制御することで転倒が
回避できるようになることが
期待されます。
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まだ実作業で使用できるようなものでは
ないようです。
>今後は、
>ImPACTタフ・ロボティクス
>・チャレンジ内で開発されている
>ハンドとの統合を検討し、
>移動能力だけではなく作業能力も備えた
>脚型ロボットを開発予定です。
とのことですので実際に役に立つ
脚型ロボットが一日でも早く開発される
よう期待しています。
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