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2016年3月 4日 (金)

間葉系幹細胞の新規マーカー分子メフリンの同定と機能解析

平成 28 年3月1日
名古屋大学プレスリリース
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 名古屋大学大学院医学系研究科
腫瘍病理学の髙橋 雅英
(たかはし まさひで)教授、
榎本 篤(えのもと あつし)准教授、
消化器内科学の後藤 秀実(ごとう ひでみ)
教授、
前田 啓子(まえだ けいこ)特任助教
らの研究グループは、間葉系幹細胞の
新たなマ-カー分子としてメフリン
(Meflin)を同定しました。
 
 間葉系幹細胞は、骨髄や全身臓器の
血管周囲に分布し、骨、軟骨、脂肪へ
分化する能力を有する組織幹細胞の
一つです。
 
 間葉系幹細胞は、周囲の免疫環境を
調節する能力を有することも知られて
います。
 
 間葉系幹細胞を用いた再生医療や
細胞移植療法は、拒絶反応を起こしにくく
腫瘍形成能も低いことから、実に多様な
疾患に対して応用が期待されています。
 
 また、癌や線維症の病態形成にも
深く関与しています。
 
 しかしながら、間葉系幹細胞の
生物学的機能や治療効果をもたらす
機序は、未解明の点も多数あります。
 
 その理由の一つとして、間葉系幹細胞を
特異的に識別する単一マーカー分子が
同定されていないことが指摘されて
いました。
 
 榎本准教授、髙橋教授らの研究グループ
は、間葉系幹細胞とその類縁の細胞に
発現する新規分子として、メフリンを
同定しました。
 
 メフリンは、間葉系幹細胞の中でも
特に未分化な間葉系幹細胞に高く発現して
おり、同細胞が骨、軟骨、脂肪へ
分化するとメフリンの発現が顕著に
低下することが明らかになりました。
 
 また、培養細胞とノックアウトマウス
を用いた実験では、メフリンは、
間葉系幹細胞を未分化な状態に維持する
機能を有することも明らかにしました。
 
 以上の結果から、メフリンは未分化な
間葉系幹細胞の新規マーカー分子
であると考えられ、間葉系幹細胞の
効率的な採取、間葉系幹細胞が関わる
癌や線維症などの病態解明、
さらには各種再生医療や細胞治療法の
機序の解明に役立つ可能性が示されます。
 
 本研究成果は、英国科学誌
「サイエンティフィック・リポーツ」
(英国時間 2 月29 日付の電子版)に
掲載されました。
 
 
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【ポイント】
 
・間葉系幹細胞は骨髄や全身の臓器に
 存在する組織幹細胞で、骨、軟骨、脂肪
 などに分化することが知られています。
 また、癌や線維症など多くの疾患の
 病態に関わることも知られています。
 また、心臓疾患、脊椎損傷、関節症など
 に対する再生医療への応用、
 あるいは移植片対宿主病(GVHD)や
 炎症性腸疾患などの難治性疾患に対する
 細胞治療法においても有効性が期待
 されている細胞です。
 しかしながら、これまでに間葉系幹細胞
 に特異的なマーカー分子は報告されて
 いませんでした。
 
・研究グループは、間葉系幹細胞に
 発現する新規の細胞表面マーカー分子
 としてメフリン(Meflin)を
 同定しました。
 メフリンは、間葉系幹細胞とその類縁と
 される細胞(血管周囲線維芽細胞など)
 に発現する分子であり、過去に
 報告されている間葉系幹細胞の
 マーカーに比べてより特異的である
 ことが判明しました。
 
・また、研究グループは、メフリンが
 間葉系幹細胞をより未分化な状態に
 維持するための機能を有することを
 培養細胞とノックアウトマウスを用いた
 実験系により、示しました。
 
・メフリンの発見は、未分化な
 間葉系幹細胞の効率的な採取や、
 間葉系幹細胞が関わる疾患の機序の解明、
 さらには、各種細胞療法の機序の解明に
 役立つ可能性があります。
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 特異的な単一マーカー分子が同定された
ということは重要ですね。
 
>本研究は、未分化な間葉系幹細胞の
>効率的な採取、同細胞が関与する
>様々な疾患(癌、線維症など)の
>病態の解明、あるいは同細胞を用いた
>再生医療や細胞治療法の機序の解明に
>役立つ可能性があります。
 
 今まで救えなかった患者を救えるようになる
可能性を感じさせてくれる医療の一つである
再生医療は重要な分野です。
 
 大いに期待したい。

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