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2016年3月19日 (土)

ヒドリドイオン“H-”伝導体の発見~水素を利用した革新的エネルギーデバイスの開発の可能性~

平成28年3月18日
科学技術振興機構(JST)
自然科学研究機構 分子科学研究所
東京工業大学
京都大学
高エネルギー加速器研究機構
J-PARCセンター
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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ポイント
 
○水素の陰イオンであるヒドリド(H-)
 がイオン伝導する新物質を開発した。
 
○ヒドリドイオン伝導体を固体電解質に
 用いた全固体電池を作製し、
 機能することを実証した。
 
○高い電池電位が期待できるヒドリドの
 イオン伝導を利用することで、
 既存の蓄電池や燃料電池などの
 延長線上にない全く新しい作動原理を
 持つエネルギー貯蔵・変換デバイスを
 開発できる可能性を示した。
 
 
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 分子科学研究所の小林 玄器
特任准教授と、東京工業大学大学院の
菅野 了次教授、
京都大学大学院の田中 功 教授、
高エネルギー加速器研究機構の
米村 雅雄 特別准教授らの
研究チームは、水素の陰イオンである
ヒドリド(H-)伝導性の固体電解質
La2-x-ySrx+yLiH1-x+
yO3-y(以下LSLHO)を
開発しました。
 
 イオン伝導体注1)は、二次電池や
燃料電池の基幹材料として電極や電解質に
用いられ、プロトン(H+)や
リチウム(Li+)を伝導する物質が
実用材料として開発されています。
 
 ヒドリド(H-)は、イオン伝導に
適したイオン半径と、卑な酸化還元電位
注2)を持つことから、H-を電荷担体
注3)とするイオン伝導体を
蓄電・発電反応に利用することが
できれば、高電位・高容量の
エネルギーデバイスを実現できる
可能性があります。
 
 しかし、化学的に安定であり、
かつH-のみがイオン伝導する物質は
これまでに発見されておらず、
H-をエネルギーデバイスに応用する
試みはありませんでした。
 
 本研究チームは、純粋なH-伝導体
であるLSLHOを開発することに
成功しました。
 
 H-が酸化物イオン(O2-)と
共存する副格子注4)を持つ酸水素化物
注5)と呼ばれる物質系に着目し、
構成元素にH-より電子供与性の強い
リチウム(Li)、
ストロンチウム(Sr)、
ランタン(La)を採用して、
H-からの電子供与を抑制することで
固体電解質として利用できる
初めてのH-伝導体の発見に至りました。
 
 さらに、開発したLSLHOを用いて、
H-を電荷担体とする全固体型の
電気化学エネルギーデバイスが作動する
ことを初めて見いだし、H-電気化学
デバイスの作動原理を実証しました。
 
 この研究成果は、ヒドリドのイオン伝導
を利用した電気化学デバイスの可能性を
初めて示したものであり、
水素のエネルギー利用に新たな可能性を
もたらすとともに、
既存の蓄電・発電デバイスの延長線上に
ない新しいエネルギーデバイスの開発に
道を拓くものと期待されます。
 
 本研究は、JST戦略的創造研究推進
事業(さきがけ)、
日本学術振興会 科学研究費助成事業
(新学術領域研究)の助成を受けて
行われました。
 
 本研究成果は、2016年3月18日
(米国東部時間)に米国科学振興協会
(AAAS)発行の科学誌
「Science」に掲載されます。
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>高い電池電位が期待できるヒドリドの
>イオン伝導を利用することで、
>既存の蓄電池や燃料電池などの
>延長線上にない全く新しい作動原理を
>持つエネルギー貯蔵・変換デバイスを
>開発できる可能性を示した。
 素晴らしい。
 
 
>本成果を通し、
>既存のエネルギーデバイスに用いられて
>いるLi+やH+、O2-、Mg2+
>などのイオン伝導種に新たにH-が
>加わったことで、次世代エネルギー
>デバイスの開発に向けた新たな潮流が
>生まれることを期待しています。
 
 新しい潮流が生まれると良いですね。
 期待しています。

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