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2016年3月11日 (金)

髄膜炎菌感染症の新たな薬剤標的を発見-遺伝情報翻訳の遅れを解消するタンパク質が髄膜炎菌の生存に不可欠-

2016年3月7日
理化学研究所
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 理化学研究所 横山構造生物学研究室の
横山茂之上席研究員、柳沢達男研究員、
理研環境資源科学研究センター生命分子
解析ユニットの堂前直ユニットリーダー
らの共同研究グループ※は、
髄膜炎菌感染症の原因となる髄膜炎菌[1]
の生存には、タンパク質「EF-P」が
不可欠であることを発見しました。
 
 EF-Pは、アミノ酸「プロリン(Pro)」
が連続する配列のために起こる
遺伝情報翻訳の遅れを解消する
タンパク質です。
 
 髄膜炎菌感染症は、アフリカ、中東、
欧米諸国で流行が続く致死率の高い病気で、
治療には作用メカニズムの異なる多くの
薬剤が必要です。
 
 EF-Pはほとんどの細菌に存在しています
が、大腸菌、サルモネラ菌、枯草菌、
緑膿菌などでは、菌の生存には不要な
タンパク質として知られていました。
 
 共同研究グループが髄膜炎菌由来の
EF-Pを分子遺伝学的、生化学的手法により、
詳しく調べた結果、髄膜炎菌の生存に
EF-Pが不可欠であることが分かりました。
 
 今後、EF-Pとそれに関連する酵素を
標的として、ヒトの体内の常在細菌を
殺すことなく、髄膜炎菌など特定の
病原性細菌だけに効く、新規抗菌剤の
開発につながると期待できます。
 
 本研究は、文部科学省及び
日本医療研究開発機構創薬等
ライフサイエンス研究支援基盤事業
(創薬等支援技術基盤プラットフォーム
事業)、文部科学省ターゲットタンパク
研究プログラム、科学研究費助成事業、
公益財団法人倉田記念日立科学技術財団
などの支援を受けて行われました。
 
 成果は、米国の科学雑誌
『PLOS ONE』(2月3日号)に
掲載されました。
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 有望そうな発見ですね。
 
>今回、EF-Pが髄膜炎菌の生存に必須
>であること、および、ラムノシル化修飾
>されたEF-Pは滞ったタンパク質合成を
>回復させることが分かりました。
 
>この知見を活用し、髄膜炎菌だけでなく、
>淋菌(りんきん)、百日咳菌、
>セパシア菌など病原性細菌由来のEF-P、
>およびその糖鎖修飾を阻害するような
>特定の細菌種に特化した薬剤を
>作ることが考えられます。
 
>それが実現すれば、生体維持に必要な
>常在細菌を殺さずに、特定の病原細菌
>だけの生存を抑えることができ、
>副作用のない有効な抗菌剤になる
>可能性があります。
 
 今後の研究に期待しましょう。

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