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2016年3月28日 (月)

アルツハイマー病の原因とされるタンパク質を細胞内で可視化する技術を開発

2016/03/16 産業技術総合研究所
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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ポイント
 
・アルツハイマー病の原因因子の一つ
 であるアミロイドβタンパク質(Aβ)
 の動態を生体内で可視化
 
・Aβと蛍光タンパク質GFPの融合を工夫し、
 Aβが凝集しても蛍光が観察される
 タンパク質を開発
 
・GFPの蛍光強度を利用した簡便・迅速な
 治療薬の探索と、詳細な発症メカニズム
 の理解へ貢献
 
 
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概要
 
 国立研究開発法人 産業技術総合研究所
(以下「産総研」という)
バイオメディカル研究部門
脳遺伝子研究グループ 落石 知世
主任研究員らは、国立大学法人
北海道大学大学院 先端生命科学研究院
北村 朗 助教、学校法人 順天堂
順天堂大学 医学部 脳神経内科 志村 秀樹
准教授らと共同で、アルツハイマー病の
原因因子の一つであるアミロイドβ(Aβ)
タンパク質の動態を、生きた神経細胞内や
生体内で可視化する技術を開発した。
 
 Aβは容易に重合し、それが更に
集まって大きな凝集体を形成する。
 
 Aβと蛍光タンパク質のGFPを
融合させたタンパク質(Aβ-GFP)は、
Aβの重合によりGFPの蛍光が阻害されると
推測されている。
 
 そのため、生体内で発現させても
Aβが重合すると蛍光が観察されず、
これまでAβの局在や動態を可視化する
ことは困難であった。
 
 今回、AβとGFPを繋ぐアミノ酸配列
(リンカー)を工夫することで、
Aβの重合状態に関係なくGFPの蛍光が
観察できる融合タンパク質を開発した。
 
 また、この融合タンパク質は
アルツハイマー病の発症に関与する
毒性の強いAβオリゴマーを形成すること
が分かった。
 
 この技術は、培養細胞や生きた個体を
用いたアルツハイマー病治療薬の
候補物質のスクリーニングへの応用や、
アルツハイマー病の発症メカニズムの
解明への貢献が期待される。
 
 なお、本成果の詳細は、2016年3月16日に
Scientific Reports誌
(電子版、オープンアクセス)に
掲載される。
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>生体内で発現させてもAβが重合すると
>蛍光が観察されず、これまでAβの局在
>や動態を可視化することは困難であった。 
  Aβの観察さえなかなか出来なかった
のですね。
 
 
>今後は培養神経細胞を用いて、
>Aβ-GFPの蛍光強度を利用した
>アルツハイマー病の治療薬や予防薬の
>候補となる物質をより簡便に
>スクリーニングできる方法の開発に
>着手する。
 
 期待しております。

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