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2016年3月12日 (土)

シナプスの微細構造まで鮮明に-高屈折率の改良型透明化液で深部超解像イメージングを実現-

2016年3月11日
理化学研究所
金沢大学
科学技術振興機構
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 理化学研究所 多細胞システム形成
研究センター感覚神経回路形成研究チーム
の今井猛チームリーダー、
柯孟岑(カ・モウシン)国際特別研究員、
金沢大学新学術創成研究機構の佐藤純教授
らの共同研究グループ※は、
生体組織深部の超解像イメージングを
可能とする新しい組織透明化試薬
「SeeDB2(シーディービーツー)」を
開発しました。
 
 SeeDB2と超解像顕微鏡[1]を用いて、
マウスやショウジョウバエの
脳の蛍光イメージングを行い、
シナプス[2]の微細な3次元構造を
大規模に解析できることを示しました。
 
 神経細胞はシナプスと呼ばれる構造で
互いに連絡し合い、脳内に神経回路を
構成しています。
 
 しかし、その構造は1マイクロメートル
(μm、1μmは1,000分の1mm)以下と
小さく、従来の光学顕微鏡でその詳細を
観察することは困難でした。
 
 また、近年、光の回折限界[3]を超える
分解能[4]を持つ超解像顕微鏡が
開発されていますが、厚みのある
生体試料深部を観察することは困難でした。 
 2013年に感覚神経回路形成研究チーム
は、ハチミツや果物などに多く含まれる
フルクトース(果糖)を用いて
生体組織の微細構造を保ったまま
透明化する試薬「SeeDB(シーディービー)
[5]」を開発しました。
 
 今回、共同研究グループはX線造影剤の
成分として知られる
「イオヘキソール[6]」を用いることで
この方法を改良し、高解像イメージング
のための透明化試薬SeeDB2を
開発しました。
 
 SeeDB2は屈折率が高く、顕微鏡観察に
用いるカバーガラスおよび
対物レンズ浸液として用いるオイルの
屈折率と完全に一致するため、
深部でも画像がぼけることなく鮮明に
観察できます。
 
 実際にSeeDB2で処理したマウス脳、
ショウジョウバエ脳、卵母細胞、
培養細胞など、さまざまな試料を
共焦点顕微鏡[7]や超解像顕微鏡を
用いて観察したところ、100μmを超える
深部まで高解像画像が得られました。
 
 また、従来観察することが難しかった
シナプスの微細構造を大規模かつ
3次元的に捉え、定量解析することに
成功しました。
 
 本手法は、脳の神経回路図を
シナプスレベルで解明する研究に役立つ
と期待できます。
 
 また、多くの精神疾患は神経細胞の
シナプス構造に異常があると
いわれており、将来的には精神疾患の
病態やメカニズムの解明にも貢献すると
期待できます。
 
 本研究は、科学技術振興機構(JST)
戦略的創造研究推進事業、
日本学術振興会(JSPS)科学研究費補助金、
三菱財団の助成によって行われました。
 
 成果は、米国のオンライン科学雑誌
『Cell Reports』(3月22日号)に
掲載されるのに先立ち、
オンライン先行掲載
(3月10日付け:日本時間3月11日)
されます。
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 良いですね。
 
 理研の組織透明化試薬、前進しました。
 
>従来観察することが難しかった
>シナプスの微細構造を大規模
>かつ3次元的に捉え、定量解析する
>ことに成功しました。
 素晴らしい。
 
 具体的に、どう精神疾患の病態や
メカニズムの解明に貢献出来るのか
分かりませんが、前進したことは
事実ですので、期待したいと思います。
 
 この投稿の続編です。
2013年6月25日

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