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2016年3月16日 (水)

免疫系が骨を治す~骨折治癒の仕組みを解明~

平成28年3月11日
東京大学
科学技術振興機構(JST)
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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ポイント
 
○骨折治癒過程において、ガンマデルタ
 (γδ)T細胞という特殊な免疫細胞が
 重要な役割を果たすことが明らかに
 なりました。
 
○ガンマデルタT細胞は、主に感染防御に
 関わるとされていますが、骨折部位では
 IL(インターロイキン)-17と
 呼ばれるサイトカインを産生し、
 骨を作る骨芽細胞を活性化し、
 骨折治癒を促進しました。
 
○本研究により、今後、IL-17や
 ガンマデルタT細胞を標的とした
 新たな骨折治療アプローチの開発が
 期待されます。
 
 
-----
 骨折治療では、折れた骨を元の位置に
戻して固定し、安静に保つことで
治癒を図ります。
 
 固定期間は数ヶ月に及ぶこともあり、
場合によっては日常生活や仕事に
大きく支障を来すことがあります。
 
 また、高齢患者の場合、長期間ベッド上
で安静にすることが原因で筋力が低下し、
寝たきりとなることもあります。
 
 患者の早期の社会復帰や寝たきり防止
のためには、治癒期間の短縮が
骨折治療における重要な課題となります。
 
 新しい手術法や固定材料の開発
といった進歩は見られるものの、
今もなお、治癒の遅延例や治癒不良例は
少なくありません。
 
 このたび、東京大学 大学院医学系
研究科 病因・病理学専攻 免疫学分野の
小野 岳人 博士研究員(研究当時)と、
岡本 一男 助教、高柳 広 教授らの
研究グループは、マウス骨折モデルを
用いて、骨折治癒における免疫系の役割を
検討しました。
 
 その結果、骨折に伴い骨欠損部位で
ガンマデルタ(γδ)T細胞注1)が
増加し、IL(インターロイキン)-17
注2)を産生することを見いだしました。
 
 IL-17は骨折部位に含まれる
間葉系幹細胞注3)を増やし、
骨芽細胞に成長させることで、骨の形成を
促進しました。
 
 IL-17やガンマデルタT細胞を
欠損するマウスでは、骨折治癒が
遅延していました。
 
 以上により、IL-17を産生する
ガンマデルタT細胞が骨折治癒を
促進するという、免疫系による
骨折治癒制御の新たなメカニズムが
明らかになりました。
 
 今後、IL-17やガンマデルタT細胞
を治療標的とした骨折治療法の開発が
期待されます。
 
 本研究は日本学術振興会 科学研究費
補助金、科学技術振興機構(JST)
戦略的創造研究推進事業などの一環で
行われました。
 
 本研究成果は、2016年3月11日
(米国東部標準時間)に国際科学誌
「Nature
 Communications」に
オンライン版で公開されます。
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 新しい発見です。
 免疫系が骨折治癒を促進するとは想像
しづらいですよね。
 
>近年、活性化ガンマデルタT細胞を
>利用した抗腫瘍療法が開発され、
>注目されています。
 
>骨折治療においてもガンマデルタT細胞
>を活性化し、IL-17産生を
>促進することができれば治療への応用が
>期待できます。
 
>本研究成果により、IL-17や
>ガンマデルタT細胞を標的とした
>新たな骨折治療法の開発が
>期待されます。
 
 期待しましょう。

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