変形性膝関節症の進行を抑えるのに滑膜幹細胞の定期的関節内注射が有効~軟骨を保護する多数の栄養因子の産生が明らかに~
平成28年2月12日
東京医科歯科大学
日本医療研究開発機構(AMED)
科学技術振興機構(JST)
詳細は、リンクを参照して下さい。
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ポイント
○国内に約850万人いる変形性膝関節症
の新規治療の開発に動物モデルを
用いて成功しました。
○滑膜幹細胞を定期的に関節内注射
することで変形性膝関節症の進行が
抑えられました。
○滑膜幹細胞が軟骨保護作用のある
多数の栄養因子を産生することを
明らかにしました。
○変形性膝関節症の治療応用への
展開が期待されます。
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東京医科歯科大学 再生医療研究センター
の関矢 一郎 教授と大関 信武 助教らの
研究グループはラットを用いた研究で、
膝関節の滑膜より培養した体性幹細胞
(滑膜幹細胞)を定期的に関節内注射
することで、変形性膝関節症の進行を
予防することに成功しました。
関節内に投与した細胞は急速に数が
減少するため、慢性の病態である
変形性膝関節症に対しては1回の投与では
効果が十分でなく、定期的に投与する事が
有効であることを明らかにしました。
また、関節内に投与した滑膜幹細胞の
ほとんどは滑膜に生着し、軟骨を保護する
多数の栄養因子を産生することを
明らかにしました。
この研究は科学技術振興機構
「再生医療実現拠点ネットワーク
プログラム 再生医療の実現化ハイウェイ
(平成27年度より日本医療研究開発機構
所管)」の支援のもとで行われたもので、
その研究成果は国際科学誌
Osteoarthritis and
Cartilage
(変形性関節症と軟骨)に、
平成28年2月12日午前11時
(英国時間)にオンラインで
発表されます。
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>幹細胞を1回ではなく定期的に投与する
>必要性と、投与した細胞の
>動態・作用機序を初めて明らかに
>しました。
当たり前のような気もします。
一回で良しとする根拠は一体どこから
来ているのでしょうか?
実施している根拠が曖昧では?
今回のやり方は、上手く行った場合、
いずれ保険適用になるんでしょうね?
こちらの治療とも併せて進めて行って
欲しいと思います。
患者数が多いですから、早く進めて
欲しい。
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