« 脳の神経細胞は、置かれた場所の環境によって別の種類の神経細胞に変わってしまうことを発見 | トップページ | 蚕のたんぱく質で医薬品 絹糸腺での合成速度は培養細胞の100万倍以上 »

2016年2月26日 (金)

究極の有機EL発光材料を福岡から世界へ向けて実用化開発へ

平成28年2月25日
九州大学
株式会社Kyulux
科学技術振興機構(JST)
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
---------------------------------------
 九州大学 安達 千波矢 主幹教授
(最先端有機光エレクトロニクス
研究センター・センター長)
が内閣府 最先端研究開発支援プログラム
(FIRST)において開発に成功した
第三世代有機EL発光材料
(TADF注1)材料)の実用化を担う
スタートアップ企業
(株)Kyuluxを平成27年3月に
設立しました。
 
 この度、(株)Kyuluxは
総額15億円の資金を調達(2月末予定)
し、実用化に伴う技術の特許に関して
権利者である九州大学らと実施許諾等を
締結、本技術を世界中で実用化できる
体制を構築しました。
 
 また、福岡県、福岡市が推進する
グリーンアジア国際戦略総合特区事業の
認定を受けたことにより、特区の支援も
活用しながら九州大学を中心に地域の
産学官連携体制を構築してTADFの
実用化を推進していきます。
 
 
-----
<意義>
 
 九州大学 安達 千波矢 主幹教授が
内閣府最先端研究開発支援プログラム
(FIRST)において、
2012年12月に第三世代の
有機EL発光材料である
TADF(熱活性化遅延蛍光)材料の
開発に成功しました※1。
 
 TADF材料は、レアメタルを使わずに、
発光の励起子発生メカニズムにかかわる
一重項と三重項励起状態の
エネルギーギャップを小さくする
分子設計により、電子を光へ
ほぼ100%の効率で変換できる
新しい有機発光材料です。
 
 低コスト・高効率発光を可能とし、
また、無限の分子設計の自由度を
最大限生かせる夢の発光材料の創出と
位置付けることができます。
 
 また、蛍光材料を発光材料とする
有機EL素子の発光層中に、
TADF材料をアシストドーパント注2)
としてドーピングすることにより、
蛍光分子からのEL発光効率を究極の
100%まで向上させることに
成功しました※2。
 
 これにより、高効率、低コストに加え、
高純度の発色を実現する究極の発光技術
Hyperfluorescenceが
実現可能となりました。
 
 このHyperfluorescence
は次世代の有機ELディスプレイを
実現する画期的な技術として、
世界のディスプレイメーカーから
注目されています。
 
 また、九州大学では、我が国の
科学技術振興戦略である
「科学技術イノベーション総合戦略」等
において大学発ベンチャーの活性化が
重要視されていること等を踏まえ、
本学の研究シーズを社会へ還元し
経済成長のひとつとなるよう九州大学発の
ベンチャー企業を支援する取り組みを
進めています。
 
 このような観点から、九州大学が誇る
世界的に注目されている上記の研究成果の
ベンチャー企業への移転ともいえる
本取り組みは、我が国発の技術が世界に
拡がっていく第一歩の取り組みと
考えており、重要かつ意義深いものと
考えています。
---------------------------------------
 
>夢の発光材料の創出と位置付ける
>ことができます。
 
 素晴らしい。有望そうです。
 
 しかも、
>地域の産学官連携体制を構築して
>TADFの実用化を推進していきます。
 とのことで、
 
 製品化までにはまだ時間がかかるとは
思いますが、頑張って世界に日本の技術
を広めて貰いたい。
 
 期待しています。

|

« 脳の神経細胞は、置かれた場所の環境によって別の種類の神経細胞に変わってしまうことを発見 | トップページ | 蚕のたんぱく質で医薬品 絹糸腺での合成速度は培養細胞の100万倍以上 »

科学関連ニュース」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 究極の有機EL発光材料を福岡から世界へ向けて実用化開発へ:

« 脳の神経細胞は、置かれた場所の環境によって別の種類の神経細胞に変わってしまうことを発見 | トップページ | 蚕のたんぱく質で医薬品 絹糸腺での合成速度は培養細胞の100万倍以上 »