究極の有機EL発光材料を福岡から世界へ向けて実用化開発へ
平成28年2月25日
九州大学
株式会社Kyulux
科学技術振興機構(JST)
詳細は、リンクを参照して下さい。
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九州大学 安達 千波矢 主幹教授
(最先端有機光エレクトロニクス
研究センター・センター長)
が内閣府 最先端研究開発支援プログラム
(FIRST)において開発に成功した
第三世代有機EL発光材料
(TADF注1)材料)の実用化を担う
スタートアップ企業
(株)Kyuluxを平成27年3月に
設立しました。
この度、(株)Kyuluxは
総額15億円の資金を調達(2月末予定)
し、実用化に伴う技術の特許に関して
権利者である九州大学らと実施許諾等を
締結、本技術を世界中で実用化できる
体制を構築しました。
また、福岡県、福岡市が推進する
グリーンアジア国際戦略総合特区事業の
認定を受けたことにより、特区の支援も
活用しながら九州大学を中心に地域の
産学官連携体制を構築してTADFの
実用化を推進していきます。
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<意義>
九州大学 安達 千波矢 主幹教授が
内閣府最先端研究開発支援プログラム
(FIRST)において、
2012年12月に第三世代の
有機EL発光材料である
TADF(熱活性化遅延蛍光)材料の
開発に成功しました※1。
TADF材料は、レアメタルを使わずに、
発光の励起子発生メカニズムにかかわる
一重項と三重項励起状態の
エネルギーギャップを小さくする
分子設計により、電子を光へ
ほぼ100%の効率で変換できる
新しい有機発光材料です。
低コスト・高効率発光を可能とし、
また、無限の分子設計の自由度を
最大限生かせる夢の発光材料の創出と
位置付けることができます。
また、蛍光材料を発光材料とする
有機EL素子の発光層中に、
TADF材料をアシストドーパント注2)
としてドーピングすることにより、
蛍光分子からのEL発光効率を究極の
100%まで向上させることに
成功しました※2。
これにより、高効率、低コストに加え、
高純度の発色を実現する究極の発光技術
Hyperfluorescenceが
実現可能となりました。
このHyperfluorescence
は次世代の有機ELディスプレイを
実現する画期的な技術として、
世界のディスプレイメーカーから
注目されています。
また、九州大学では、我が国の
科学技術振興戦略である
「科学技術イノベーション総合戦略」等
において大学発ベンチャーの活性化が
重要視されていること等を踏まえ、
本学の研究シーズを社会へ還元し
経済成長のひとつとなるよう九州大学発の
ベンチャー企業を支援する取り組みを
進めています。
このような観点から、九州大学が誇る
世界的に注目されている上記の研究成果の
ベンチャー企業への移転ともいえる
本取り組みは、我が国発の技術が世界に
拡がっていく第一歩の取り組みと
考えており、重要かつ意義深いものと
考えています。
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>夢の発光材料の創出と位置付ける
>ことができます。
素晴らしい。有望そうです。
しかも、
>地域の産学官連携体制を構築して
>TADFの実用化を推進していきます。
とのことで、
製品化までにはまだ時間がかかるとは
思いますが、頑張って世界に日本の技術
を広めて貰いたい。
期待しています。
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