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2016年2月13日 (土)

人工光合成の実現に向けた酸素発生触媒の開発に成功~植物に学ぶ触媒デザインで、植物の反応速度を大きく上回る~

平成28年2月11日
科学技術振興機構(JST)
自然科学研究機構 分子科学研究所
総合研究大学院大学
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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ポイント
 
○人工光合成の実現には、水を分解して
 酸素を発生する反応効率を高める
 必要がある。
 
○植物の光合成にヒントを得て、高効率
 で酸素を発生する鉄の触媒分子の開発
 に成功した。
 
○人工光合成技術の実現に向けた大きな
 一歩で、エネルギーや環境問題の解決
 に貢献する。
 
 
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 JST 戦略的創造研究推進事業の
一環として、自然科学研究機構
分子科学研究所
(総合研究大学院大学 構造分子科学専攻)
の正岡 重行 准教授、近藤 美欧 助教、
総合研究大学院大学の岡村 将也 博士課程
大学院生らの研究グループは、
植物の光合成よりも高い効率で
水から酸素を発生する鉄錯体注1)
(酸素発生触媒)の開発に成功しました。
 
 持続可能なエネルギー循環システムの
構築に向けて、太陽光のエネルギーを
貯蔵可能な化学エネルギーへと変換する
人工光合成注2)技術が高い関心を
集めています。
 
 実現の障害となっていたのは、
水の分解による酸素発生反応注3)の
効率の低さです。
 
 水に光を当てるだけでは
酸素は発生しないため、水の分解を
手助けして酸素を効率よく発生させる
触媒の開発が大きな課題でした。
 
 本研究グループは、植物の光合成で
酸素発生触媒の役割を持つたんぱく質
複合体の中に存在する錯体の構造に
注目し、その機能を人工的に模倣して、
鉄イオンと有機分子を組み合わせた
鉄錯体を新たな触媒分子として
デザインしました。
 
 この鉄錯体は触媒として高い
酸素発生速度と高い耐久性を示し、
植物の光合成よりも良好な触媒性能を
持つことが分かりました。
 
 本研究で見いだした独自の
触媒分子デザイン戦略は、
人工光合成のような物質変換反応で、
重要な触媒の開発に新たな指針を与え
うるものです。
 
 今後、触媒分子をさらに最適化し、
エネルギー・環境問題の解決を導く
人工光合成技術の開発に貢献すると
期待されます。
 
 本研究成果は、自然科学研究機構
分子科学研究所、総合研究大学院大学、
熊本大学、福岡大学、佐賀大学との
共同研究で行われたもので、
2016年2月10日(英国時間)に
英国科学誌「Nature」の
オンライン速報版で公開されます。
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 植物の反応速度を大きく上回るとは
素晴らしいですね。
 
 やっと植物の生産効率に追いついた
と言って良いのかな?
 
>植物に学ぶ触媒分子のデザイン戦略は、
>人工光合成の反応を含めた物質変換反応
>における触媒開発に重要な指針を
>与えうるものです。
 
>今後、触媒分子をさらに最適化する
>ことにより、エネルギーや環境問題の
>解決に貢献する高性能な触媒の開発に
>つながると期待されます。
 
 そうですね。大いに期待したい。

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