海水中の低濃度放射性セシウムを迅速にモニタリング
2016/02/05 産業技術総合研究所
詳細は、リンクを参照して下さい。
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ポイント
・銅置換体プルシアンブルー担持不織布
を用いた海水中の放射性セシウムの
前処理技術を開発
・水1 Lあたり0.01ベクレル(Bq)という
低濃度の放射性セシウムを約40分で
濃縮可能
・海水中の放射性セシウムのモニタリング
や動態評価、海産物への影響評価への
貢献に期待
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国立研究開発法人 産業技術総合研究所
(以下「産総研」という)
地圏資源環境研究部門
地圏環境リスク研究グループ
保高 徹生 主任研究員、
宮津 進 元産総研特別研究員
(現 国立研究開発法人
農業・食品産業技術総合研究機構
農村工学研究所 研究員)、
ナノ材料研究部門 ナノ粒子機能
設計グループ 川本 徹 研究グループ長、
髙橋 顕 研究員は、
日本バイリーン株式会社
(以下「日本バイリーン」という)と
連携し、銅置換体プルシアンブルー
を使った不織布カートリッジ(Cu-C)を
開発した。
開発したCu-Cは、共存イオン濃度が高い
水でも溶存態放射性セシウム(Cs)の
回収率が高く、海水に含まれる放射性Cs
のモニタリングに適用できる。
現在の福島県近傍の海水中の
溶存態放射性Csは1 Lあたり0.01ベクレル
(Bq)未満と極めて低い。
そのため、海水中の放射性Cs濃度の
測定には、まず20~100 Lの水を
汲み上げ、6時間~数日程度かけて、
水中の懸濁物質の除去や、
リンモリブデン酸アンモニウム共沈法等を
用いて溶存態放射性Csを濃縮する
といった前処理が必要であった。
今回開発したCu-Cは、海水でも高い
回収率を示し、毎分0.5 Lで海水を
通過させると90 %以上の溶存態放射性Cs
を回収できる。
その結果、20 Lの海水中に含まれる
放射性Csを僅か40分で濃縮でき、
前処理時間を大幅に短縮できる。
また、Cu-Cは淡水中の放射性Csの
回収性能も、従来型の
亜鉛置換体プルシアンブルーを使った
不織布カートリッジ(Zn-C)を
大きく上回る性能を示す。
本技術の活用により、海水中の
放射性Cs濃度の測定、さらには長期的な
環境への影響評価に大きく貢献すること
が期待される。
この成果の一部は、2016年1月28日に
Journal of Nuclear Science and
Technology誌電子版に掲載された。
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良いですね。
>現在の福島県近傍の海水中の
>溶存態放射性Csは
>1 Lあたり0.01ベクレル(Bq)未満と
>極めて低い。
>そのため、海水中の放射性Cs濃度の
>測定には、まず20~100 Lの水を
>汲み上げ、6時間~数日程度かけて、
>水中の懸濁物質の除去や、
>リンモリブデン酸アンモニウム共沈法等
>を用いて溶存態放射性Csを濃縮する
>といった前処理が必要であった。
結構大変なんですね。
環境の状態を常に観測するためには
こういう技術が必要だと思います。
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