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2016年2月21日 (日)

放射性廃棄物の処理問題解決への第一歩-世界初の破砕反応データ取得に成功-

2016年2月19日 理化学研究所
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 理化学研究所(理研)仁科加速器研究
センター櫻井RI物理研究室の
ワン・へ国際特別研究員、
櫻井博儀主任研究員と多種粒子測定装置
開発チームの大津秀暁チームリーダー
らの研究チームは、理研の重イオン加速器
施設「RIビームファクトリー(RIBF)[1]」
を用いて、放射性廃棄物の主要な成分
であるセシウム-137
(137Cs、原子番号55、質量数137)と
ストロンチウム-90
(90Sr、原子番号38、質量数90)を
不安定核ビームとして取り出し、
破砕反応[2]のデータ取得に
世界で初めて成功しました。
 
 原子力発電所などで生じる放射性廃棄物
の処理問題は日本だけでなく、
世界的な問題です。
 
 この問題を解決するためには、
長寿命の放射性核種[3]を、
安定核種もしくは短寿命核種に効率良く
核変換し、放射能を弱める方法を
開発することが必要です。
 
 そのためには、開発の基盤となる
核反応データを取得することが重要です。
 
 研究チームが着目した137Cs
(半減期30.1年)と90Sr(半減期28.8年)
は、熱中性子捕獲反応[4]では、
核変換しにくいことが知られています。
 
 そこで核変換の反応として、
陽子と重陽子[5]を照射することにより、
これらの放射性核種を壊す反応
(破砕反応)を考えました。
 
 しかし、137Csと90Srの破砕反応の
確率やどうような核種にどれだけ変わる
のか、その基礎データはありません
でした。
 
 そこで研究チームは、RIBFを用いて
137Csと90Srをビームにし、陽子と重陽子
を標的にして照射する「逆反応法[6]」を
利用してデータを取得しました。
 
 実験の結果、陽子や重陽子に
137Csと90Srのビームを照射することで
起こる破砕反応の確率は、
熱中性子捕獲反応に比べて、
137Csで約4倍、90Srで約100倍大きい
ことが分かりました。
 
 また、重陽子は陽子に比べて、
破砕反応が起こる確率が約2割大きく、
ビーム核種を軽い核にする能力も高い
ことが明らかになりました。
 
 これは、陽子だけでなく重陽子ビーム
を利用した方法も破砕反応法には
有効だということを示しています。
 
 さらに、反応後の原子核の半減期の
分布から、137Csは89%、90Srは96%の
確率で安定核もしくは半減期1年以下の
短寿命核に核変換されることが
分かりました。
 
 今後、RIBFで多種多様な核変換データを
取得し、効率の良い核変換法を模索して
いきます。
 
 本研究は、文部科学省・原子力システム
研究開発事業の委託費(平成25~26年度)
で推進されました。
 
 成果は、欧州の科学雑誌
『Physics Letters B』のオンライン版で
1月11日より公開され、3月10日号に
掲載されます。
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 希望が出てきましたね。
 
 これからいろいろデータを取る必要が
あると思いますが、良いデータが取れる
と良いのですが、
 
 原子力発電所を稼働させた結果、
放射性廃棄物が出て、何もできず、
保管するのみ。
 
 それも、安全になるまでには、万年単位
の年月が必要なのですから、ひどいもの
です。
 
 こんなに無責任なものはないと思う。
 
 上手く核変換出来れば良いですね。
 
 核変換については、こんな話しも
ありますが、まだまだ実用的でない。
 頑張ってはいるのですが、実用
と言うレベルにはまだ遠い。

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