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2016年1月13日 (水)

キラーT細胞に重要な樹状細胞の生体内可視化に成功-がんワクチンの改良に役立つ可能性-

2016年1月12日
理化学研究所
科学技術振興機構
和歌山県立医科大学
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 理化学研究所(理研)統合生命医科学
研究センター組織動態研究チームの
岡田峰陽チームリーダー、
北野正寛客員研究員と、
和歌山県立医科大学医学部先端医学研究所
生体調節機構研究部の改正恒康教授らの
共同研究グループ※は、
がんや細胞内病原体に対する免疫に
重要な樹状細胞[1]の働きを、
生体内で可視化するイメージング解析技術
の開発に成功しました。
 
 体内に侵入した病原体や接種された
ワクチンは、免疫細胞の一種である
「樹状細胞」によって認識され、
その樹状細胞がT細胞を活性化すること
で、体を守る獲得免疫が働きます。
 
 樹状細胞には多くの種類が存在し、
病原体やワクチンの種類に応じて
異なった役割を果たします。
 
 がん細胞や細胞内に潜んだ病原体
に対する免疫応答には、それらに由来する
抗原をMHC(主要組織適合性複合体)
クラスI[2]の上に提示(交差提示[3])
して、CD8陽性T細胞[4]を活性化し、
キラーT細胞[5]へと分化させる能力の
高いタイプの樹状細胞が重要である
ことが知られています。
 
 しかし、このタイプの樹状細胞には、
リンパ節などのリンパ組織[6]に
常在している樹状細胞と、皮膚などの
さまざまな組織に存在し、リンパ節へ
移動してくる樹状細胞の2種類の
樹状細胞が含まれています。
 
 これら2種類の樹状細胞は、病原体や
ワクチンの種類、さらに感染部位や
接種方法によって役割が異なると
考えられていますが、その詳細は
明らかにされていませんでした。
 
 その解明には、2種類の樹状細胞を
識別しながら同時に生体内で可視化し、
その振舞いを比較することが重要
ですが、これまで技術的に不可能でした。
 
 共同研究グループは、これら2種類の
樹状細胞だけが、光変換蛍光タンパク質
KikGR[7]を発現するマウスを作成しました。
 
 このマウスの皮膚に青紫色の光を
照射すると、2種類の樹状細胞のうち、
皮膚にいる樹状細胞が発する蛍光だけを
緑から赤に変化させることができました。
 
 これにより、皮膚からリンパ節へと
移動してきた交差提示能を持つ
樹状細胞を、可視化して追跡できる
ようになりました。
 
 さらに二光子レーザー顕微鏡[8]という
特殊な顕微鏡を用い、生きたマウスで、
リンパ節に常在する樹状細胞と
皮膚から来た樹状細胞とを、
赤と緑の蛍光により同時に可視化し、
それぞれのCD8陽性T細胞との相互作用を
解析できるようになりました。
 
 今回開発された技術を用いて、
さまざまな種類のワクチンや感染に対する
免疫応答を解析し最適な樹状細胞を
特定することが可能となります。
 
 今後、感染症やがんの種類に応じて
最適な樹状細胞を効率的に活性化する
ワクチンの設計・開発に役立つと
考えられます。
 
 本研究は、科学技術振興機構(JST)
戦略的創造研究推進事業の一環として
行われました。
 
 成果は、米国の科学雑誌
『Proceedings of the National Academy
 of Sciences of the United States
 of America』オンライン版に
1月11日の週に掲載されます。
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 本当の成果はこれからですね。
 
>今回開発されたイメージング解析技術
>可視化技術を用いて、さまざまな種類の
>ワクチンや感染に対する免疫応答を
>解析することで、効果の強い
>ワクチンが、どの種類の樹状細胞と
>CD8陽性T細胞の相互作用を最も強く
>誘導しているかを知ることができる
>ようになります。
 
 期待しましょう。

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