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2016年1月17日 (日)

マラリアはどうやって免疫システムを騙しているか?

2016-01-15 沖縄科学技術大学院大学
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 熱帯熱マラリアの病原体である
マラリア原虫(P. falciparum)の
ひとつのタンパク質と、それに対して
感染初期段階の生体防御反応を担う
抗体分子が結合した三次元構造が
沖縄科学技術大学院大学(OIST)の
研究により明らかになりました。
 
 米科学誌Cell Reportsに掲載された
今回の研究成果は、同大学の
構造細胞生物学ユニットを率いる
ウルフ・スコグランド教授らによるもの
で、抗マラリア薬の開発に向けて
有用な知見をもたらすことが
期待されます。
 
 熱帯熱マラリアはマラリア原虫を
媒介するハマダラカ(Anopheles属)
という蚊に刺されることによって
ヒトに感染します。
 
 マラリア原虫はヒトの体内に入ると
すぐに肝臓に侵入し、そこで発育したあと
赤血球に感染します。
 
 やがて感染した赤血球から出て、
別の赤血球へと感染を広げながら
存続しています。
 
 マラリア病原体には、その感染力を
高めるための戦略の1つとして、
「ロゼット形成」というものがあります。
 
 これは、感染赤血球を正常赤血球が
囲んで花びら状の配列を形成するという
ものです。
 
 中央の赤血球に寄生したマラリア原虫が
周囲に引き寄せられた正常赤血球を容易に
感染できるため、感染効率が高まります。
 
 ロゼット形成はマラリアの重篤化と
高熱の発症を引き起こします。
 
 細い血管ではロゼット状の感染赤血球は
毛細血管の内壁に付着し、血液の流れを
妨げるため、高熱を発します。
 
 幼児や高齢者では毛細血管内壁が薄い
ため、マラリアに感染すると特に重篤化
する恐れがあります。
 
 ロゼット形成に重要な役割を担っている
のが、熱帯熱マラリア原虫
赤血球膜タンパク質(PfEMP1)です。
 
 PfEMP1タンパク質は感染赤血球の表面に
発現し、感染初期の生体防御機能を担う
抗体の1つであるIgM抗体を巧みに操ります。
 
 IgM抗体は病原体または感染細胞に
結合すると、補体系の様なほかの
免疫分子を呼び寄せて補強します。
 
 OISTの研究員らは、IgM抗体が1~2個の
PfEMP1タンパク質に結合し、感染細胞の
表面にブーケ状の結合体を形成する様子を
可視化しました。
 
 マラリア原虫はブーケ状に形成された
IgM抗体をうまく利用し、より多くの
赤血球を周囲に引き寄せロゼット形成を
加速させます。
 
 さらに、ブーケ中に取り込まれた
IgM抗体は補体系と結合することができず、
感染細胞を攻撃することができません。
 
 「PfEMP1タンパク質とIgM抗体は
マジックテープのように絶妙な結合強度で
絡み合い、免疫システムを巧みに
操っています」と、スコグランド教授は
説明します。
 
 OISTの研究チームが用いる
三次元可視化技術により、
これらタンパク質分子の構造変化を
動的に観察することができます。
 
 スコグランド教授は、「PfEMP1は
アルファベットのCの形をした堅固な
タンパク質構造であることが
分かりました。
 
 この堅固な構造こそが重要なのです。
 
 もし柔軟な構造であったら
うまく機能しないでしょう。
 
 一方、IgMは、拡張形、鐘形、カメ形
という三種の形態をとることが
分かりました。」と、
本研究成果の意義を強調しています。
 
 今回明らかになったPfEMP1タンパク質と
IgM免疫複合体の立体構造は、
患者に苦痛を与えることなく感染赤血球の
ロゼットを破壊・排除を可能にする
抗マラリア薬物療法の開発に役立つこと
が期待されています。
 
詳細は下記リンクをどうぞ、
プレスリリース(PDF) 
---------------------------------------
 
>国際保健機関(WHO)の
>『World Malaria Report 2015
>(世界マラリアレポート 2015)』
>によると、
>2015 年の世界のマラリア罹患者数は
>およそ 2 億 1400 万人、
>マラリアによる死亡者数は
>およそ 43 万 8000 人と推計されて
>おり、マラリアとの戦いはまだまだ
>続いています。
 そうなんですね。
 
>今回明らかになったPfEMP1タンパク質と
>IgM免疫複合体の立体構造は、
>患者に苦痛を与えることなく
>感染赤血球のロゼットを破壊・排除を
>可能にする抗マラリア薬物療法の
>開発に役立つことが期待されています。
 
 期待したいと思います。
 
 参考資料です。
モダンメディア 57巻11号
2011 「話題の感染症」

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