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2016年1月11日 (月)

肺の細胞が自ら歩いて集まる様子を撮影-呼吸器学者の長年の疑問を解明-

2015年12月18日
理化学研究所
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 理化学研究所(理研)多細胞システム
形成研究センター呼吸器形成研究チームの
森本充チームリーダー、
野口雅史研究員らの研究グループ※は、
呼吸器学者の間で40年近く謎と
されていた、神経内分泌細胞
(NE細胞)[1]が気管支の分岐点に
規則正しく配置され、クラスター(塊)を
形成するメカニズムを解明しました。
 
 私たちが吸い込んだ空気(吸気)は
気管と気管支を通って肺胞に到達します。
 
 肺胞では血中の酸素と二酸化炭素の
ガス交換が行われますが、気管と気管支は
たくさんの分岐によって吸気を分散する
ことで、より広範囲の肺胞に吸気を送り
ガス交換の効率を上げています。
 
 加えて、気管と気管支は呼気に混ざった
異物を体外に排出する浄化装置としても
機能しています。
 
 NE細胞は気管と気管支の上皮細胞の
1種で、酸素濃度のセンサーや
幹細胞ニッチ[2]としての機能が
知られていました。
 
 さらに肺がんの1種である小細胞肺がん
の起源になるなど、疾患との関連も
指摘されています。
 
 NE細胞の分布はユニークで、気管支の
分岐点付近に小さなクラスターを作って、
いつも規則正しく配置されています。
 
 しかしこのNE細胞の分布については
40年近く前に報告されて以来、
分布パターンが形成されるメカニズムは
解明されていませんでした。
 
 今回研究グループは、マウスの胎児肺の
細胞分布を3次元およびリアルタイムで
高解像度に画像解析する技術の確立に
成功しました。
 
 この技術を使ってNE細胞の挙動を
解析した結果、
NE細胞がNotch-Hes1シグナル[3]によって
限定的に細胞分化し、
その後、自ら歩いて移動し、
気管支の分岐点に規則正しく配置され
クラスターを形成する一連の過程が
明らかになりました。
 
 NE細胞を起源とする小細胞肺がん細胞は
転移能が高いことが知られているため、
「NE細胞が自ら歩いて移動する」という
今回の知見は、細胞の生物学的性質と
病理的な現象を結ぶ上で重要と
考えられます。
 
 将来、細胞移動の分子メカニズムが
解明され、小細胞肺がんとの関係について
理解が進むことで、新しい治療薬の開発へ
つながると期待できます。
 
 本研究は、米国の科学雑誌
『Cell Reports』(12月29日号)に
掲載されるのに先立ち、オンライン版
(12月17日付け:日本時間12月18日)に
掲載されます。
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 呼吸器学者の長年の疑問を解明した
そうです。
 重要な発見になるかも知れません。
 
>気管支のNE細胞が自ら動くことができる
>細胞種だったことは、新しい発見でした。
 
>同細胞を起源とする小細胞肺がん細胞は
>転移能が高いことが知られているため、
>今回の知見は細胞の生物学的性質と
>病理的な現象を結ぶ上で重要な発見です。
 
>今後はNE細胞の移動を制御している
>因子の同定が課題です。
>将来、細胞移動の分子メカニズムが
>解明され、小細胞肺がんとの
>関係について理解が進むことで、
>新しい治療薬の開発へつながると
>期待できます。
 
 今後の展開に期待したい。

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