難病「封入体筋炎」とC型肝炎ウイルスの関連を証明~全国調査をもとに世界に先駆けて報告~
2015年12月24日
国立精神・神経医療研究センター (NCNP)
詳細は、リンクを参照して下さい。
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国立研究開発法人 国立精神・神経医療
研究センター(NCNP)神経研究所疾病研究
第一部の西野一三部長、漆葉章典研究員
らの研究グループは、厚生労働省指定難病
の一つである、封入体筋炎の発症に
C型肝炎ウイルス感染が関与することを
明らかにしました。
封入体筋炎は主に50代以上の高齢者に
発症する筋疾患で、手指や下肢の筋力が
低下し、発症後平均7年で歩行不能
となります。
原因は不明で、確立された治療法は
ありません。
近年、本邦では封入体筋炎の患者数は
急増しており、病態解明、治療法開発が
急がれます。
研究グループは、封入体筋炎の発症に
関わる因子を調べるために全国調査を行い、
封入体筋炎患者の28%に
C型肝炎ウイルス感染が伴うことを
発見しました。
この感染率は他の筋疾患同齢患者や
同世代の一般人口より有意に高く、
C型肝炎ウイルスが発症に関与している
ことが強く示唆されました。
C型肝炎ウイルスはいくつかの
自己免疫疾患の発症に関わることが
知られていますが、封入体筋炎には
そうしたC型肝炎ウイルス関連疾患と
共通する疾患メカニズムが存在すると
考えられます。
この研究成果は、今後の病態解明に
大きく貢献するものと期待されます。
この研究内容は、日本時間2015年12月19日
午前6時に米国神経学アカデミー学会誌
Neurologyオンライン版に
掲載されました。
またこの論文は同号のEditorialで
注目論文として取り上げられています。
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>C型肝炎ウイルスは慢性肝炎や肝硬変、
>肝がんを起こす他に、肝臓以外の
>臓器・組織の自己免疫疾患の発症に
>関わることが知られています。
嫌らしいウイルスですね。
>この研究成果は、封入体筋炎に
>そうしたC型肝炎ウイルス関連疾患と
>共通する発症メカニズムが存在すること
>を示唆しています。
>こうした新たな視点が、封入体筋炎の
>病態解明に大きく貢献するものと
>期待されます。
病態解明 → 薬の開発
に期待したい。
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