神経難病・筋萎縮性側索硬化症の病原蛋白質を分解する新たな仕組みを発見 -ALSの新たな病態の発見と分子標的治療の可能性を開く-
2016年01月12日 京都大学研究成果
詳細は、リンクを参照して下さい。
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漆谷真 医学研究科准教授、
内田司 元同博士課程学生
(現洛和会音羽病院神経内科医師)、
伊東秀文 和歌山県立医科大学教授らの
グループは共同研究で、神経難病である
筋萎縮性側索硬化症の原因蛋白質の
異常構造を特異的に認識して
分解する仕組みと、その破綻が
オリゴデンドロサイトというグリア細胞の
病的封入体形成に関与している可能性を
見出しました。
本研究成果は、英国科学誌
「Scientific Reports」誌に
掲載されました。
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研究者からのコメント
オリゴデンドロサイトの機能異常は
近年ALS病態の重要な病態として
注目されており、VHL/CUL2の
調節異常の解明が今後の治療開発
における有望な治療標的として期待が
できます。
また我々が特定した異常なTDP-43の
目印(246番グルタミン酸)は、
分子標的治療や診断プローブの開発
にも有用と考えています。
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概要
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は
最も重篤な神経難病の一つですが
病態は未だに不明で、根治的な治療法も
存在しません。
しかし以前からALSの病巣に
異常凝集物が蓄積する現象は知られており、
近年TDP-43という蛋白質が主な成分と
判明したことから治療標的として
注目を浴びています。
今回本研究グループは、
がん関連蛋白質von Hippel Lindau(VHL)
とCullin2(CUL2)からなる
ユビキチンリガーゼ複合体が、
ALSで出現する病的なTDP-43と結合し、
ユビキチン化とプロテアソームでの分解
を促進することを発見した。
さらにその仕組みの破綻が
神経細胞周囲のグリア細胞である
オリゴデンドロサイトにおける
病的封入体形成に関与していることを
明らかにしました。
オリゴデンドロサイトの機能異常は
近年ALS病態の重要な要素として
注目されており、VHL/CUL2の調節異常の
解明はALS病態の解明と治療開発への道
を開くものと期待ができます。
詳しい研究内容について
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>ALSの新たな病態の発見と分子標的治療
>の可能性を開く
とのこと。
この前投稿した、こちらとは
違う発見のようです。
原因として想定できるものが、
少なく見積もって2つある、
ということかな?
今後の進展に期待します。
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