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2016年1月 7日 (木)

AIM投与による急性腎不全治療につながる革新的成果

平成28年1月5日
東京大学
日本医療研究開発機構(AMED)
科学技術振興機構(JST)
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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ポイント
 
○血液中のタンパク質AIMがこれまで
 全く知られていなかった作用メカニズム
 により、急性腎不全を顕著に
 治癒せしめることを見出した。
 
○AIMは、急性腎不全時、マウスと
 ヒトで同じ動態を示すことを明らかに
 した。
 したがってAIMは、マウスのみならず
 ヒト患者においても急性腎不全の治癒に
 重要な役割を果たすと考えられる。
 
○本研究は、これまで確実な治療法の
 なかった急性腎不全に対する
 新規かつ効率的な治療法の開発に
 貢献することが期待される。
 
 
-----
 腎臓は血液中の老廃物をろ過し、
尿として排泄する重要な器官である。
 
 腎臓の機能が低下すると、血液中に
老廃物が溜まり、身体の色々な臓器の
働きに支障をきたす。
 
 出血による腎臓の虚血、細菌感染、
薬剤など色々な原因により腎臓が
障害され、急速に腎機能が低下する
状況を急性腎不全という。
 
 急性腎不全は自然に改善する場合も
あるが、致死率も高い。
 
 また、急性腎不全を発症した患者は
慢性化するリスクが著しく高まり、
慢性腎不全となり将来的に透析を
受けなくてはならなくなる場合も多い。
 
 これまで多くの研究がなされてきたが、
急性腎不全に対して確実な治療法の
確立は果たされていなかった。
 
 東京大学 大学院医学系研究科の
宮崎 徹 教授らの研究グループは、
自ら発見したタンパク質AIM注1)
(文献1-4)が、直接腎臓に働きかけ
急性腎不全を治癒させることを
明らかにした。
 
 急性腎不全が生じると、腎臓の中の
尿の通り道(尿細管という)に“ゴミ”
(細胞の死骸)が詰まり、そのことが
腎機能の低下を招く引き金となることが
知られている。
 
 AIMは通常血液中に存在するが、
腎臓の機能が低下すると尿中に移行し
ゴミに付着する。
 
 そして付着したAIMが目印となって、
周囲の細胞が一斉にゴミを掃除し、
迅速に詰まりが解消され、その結果、
腎機能は速やかに改善することが
明らかとなった。
 
 さらに本研究グループは、AIMを
持たないマウスが急性腎不全になると、
詰まったゴミは掃除されることなく、
腎臓の機能は著しく悪化し続け
多くが死んでしまい、またAIMを
正常に持っているマウスでも、
重症の急性腎不全を起こすと、
体内に持っているAIMの量では
十分にゴミが掃除されず、腎臓内の
詰まりが解消されないまま、
やはり多くが死んでしまうことを
明らかにした。
 
 そしていずれの場合でも、AIMを
静脈注射することで、尿細管の詰まりは
劇的に解消され、腎機能が速やかに
改善し致死率は著しく低下することを
見出した(注:致死率は60~100%
であったものが、AIM投与により
0%となった)。
 
 すなわち、血中のAIM量が不十分
である場合(もともと血中濃度が低い場合
や、重度の腎不全が生じた場合)には、
AIMを投与することで急性腎不全を
速やかに改善させ、慢性化する危険を
回避することが可能であると考えられる。
 
 腎機能低下時の血中AIMの尿中への
移行およびゴミへの付着は、
ヒト急性腎不全患者でも同様に
観察されるため、マウスだけでなく
ヒト急性腎不全患者においても、
AIMによる治療は有効であると
考えられる。
 
 本研究結果により、これまで確実な
治療法のなかった急性腎不全の治療が
AIMにより可能になると期待される。
 
 また、急性腎不全治癒後も、定期的に
AIMを投与し、腎臓のゴミを掃除する
ことにより、急性腎不全の再発や
慢性化のリスクを低下させる可能性が
高いと考えられる。
 
 また、AIMは本来人間の血液中に
存在しているので安全性の高い治療法
となることが期待される。
 
 本研究成果は、2016年1月4日
(米国東部時間)に
「Nature Medicine」
オンライン版で公開される。
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 素晴らしい。
 
>本研究グループは、血中タンパク質
>AIM(Apoptosis
> Inhibitor of
> Macrophage:CD5Lとも
>呼ばれる。文献1-4)が、
>AKIの治癒メカニズムに決定的な役割
>を果たしていること、それゆえ、
>AIMによってAKIを治療できる
>可能性があることを示した。
 
>さらにAIMは診断法への応用の
>可能性もある。
>AKIを発症したヒトおよびマウス
>において、腎機能の重症度と尿中の
>AIM量は相関していた。
>マウスでは、AKIの回復と共に、
>尿中のAIM量は減少した。
>したがって、尿中AIM値は、
>AKIの重症度と予後判定の
>新規マーカーとなり得ると考えられる。
>以上の研究成果から、AIMは
>AKIの診断と治療に対し、
>新しい大きな可能性を持つタンパク質
>であると期待される。
 
 大いに期待したい。
 急性腎不全患者の致死率の改善に
おおいに貢献できそうです。

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