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2015年12月 9日 (水)

がん細胞の運動を制御する新しい仕組みを発見-新しいがん転移治療法の開発への応用に期待-

2015年12月2日 理化学研究所
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 理化学研究所(理研)吉田化学遺伝学
研究室の吉田稔主任研究員、
伊藤昭博専任研究員らの共同研究グループ
※は、酸化ストレス[1]応答転写因子[2]
Nrf2の負の制御因子であるKeap1の
新しい機能を発見し、がん細胞の運動を
制御する新しい仕組みを発見しました。
 
 アクチン[3]結合タンパク質である
コータクチンは、がん細胞の浸潤、
転移[4]に関わる重要な因子で、
多くの浸潤がんに高発現していること
から、がん転移治療の標的分子として
着目されています。
 
 コータクチンの活性は、アセチル化
などの翻訳後修飾により制御されている
ことが知られていましたが、その詳細な
メカニズムは明らかになっていません
でした。
 
 共同研究グループは、コータクチンの
アセチル化修飾酵素を調べている過程で、
コータクチンが核と細胞質を行き来する
シャトルタンパク質であることを
見出しました。
 
 さらに、コータクチンの新しい
結合パートナーとして酸化ストレス
応答転写因子Nrf2の負の制御因子である
Keap1を発見しました。
 
 Keap1はコータクチンを細胞質に
とどめおき、さらに外部シグナルに応答
して細胞辺縁部へ運ぶことにより、
細胞の運動を増進するという
新しい機能を持つことが明らかに
なりました。
 
 このときコータクチンがアセチル化
されているとKeap1との結合が弱くなる
ため、がん細胞の運動性が著しく低下する
ことも分かりました。
 
 これらの研究成果により、
これまで酸化ストレス応答の制御因子
であると考えられていたKeap1による
新しいがん細胞運動性制御メカニズムを
明らかにすることができました。
 
 この成果は、新しいがん転移治療法の
開発につながると期待できます。
 
 本研究は、米国の科学雑誌
『Science Signaling』(11月24日号)に
オンライン掲載されました。
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>コータクチンは多くの浸潤がんで
>高発現しており、がん転移治療の
>標的分子として注目されています。
  →
>本研究成果から、Keap1とコータクチン
>の相互作用の阻害は、がん細胞の浸潤や
>転移を抑えることを示します。
 素晴らしい。
 
>また、コータクチンのアセチル化は
>Keap1との結合を弱めるため、
>コータクチン脱アセチル化酵素の
>阻害剤はがん転移の治療薬になる
>可能性があります。
>コータクチン脱アセチル化酵素を
>標的とした創薬開発が今後期待
>できます。
 
 期待したい。
 がんの転移を少しでも減らすことが
出来れば素晴らしいこと。

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