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2015年12月14日 (月)

溶けないもの同士が反応する!?~溶媒としての水が化学反応の新たな可能性を切り拓く~

平成27年12月9日
東京大学
科学技術振興機構(JST)
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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ポイント
 
○反応基質や触媒を可溶化させるより、
 反応媒体として水を用いることで
 創出された“溶けない”状態により、
 触媒的不斉合成がきわめて円滑かつ
 高立体選択的に進行することを
 見いだした。
 本発見は、生体反応(酵素反応)の
 真の理解に通じる可能性がある。
 
○従来、化学反応は、反応基質や触媒を
 溶解して行うのが常識とされてきた。
 したがって、脂溶性の反応基質を用いる
 場合(多くの有機反応)は、反応基質を
 溶かすために有機溶媒が用いられて
 きた。
 
○本研究成果は有機溶媒を用いる既存の
 手法より優れた活性と選択性を実現して
 おり、溶媒として水を積極的に活用する
 ことで有機合成を新たな次元へと
 発展させることが期待される。
 
 
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 東京大学 大学院理学系研究科の
小林 修 教授らの研究グループは、
触媒や原料を溶解させるよりも
溶媒量の水を用いて敢えて
“溶けない”状態を作り出すこと
により高い触媒活性と高い選択性が
得られることを見いだした。
 
 同研究グループは、単純な銅塩から成る
水に溶けないキラル銅触媒を開発し、
本触媒と脂溶性注1)の基質を
水中で攪拌することで高い選択性を得る
触媒的不斉合成注2)を成功させた。
 
 化学反応の原理上、反応速度は
反応基質同士の衝突頻度に比例するため、
有機溶媒や界面活性剤を用いて
反応基質同士の混和性を高めることが
反応を進行させる前提であった。
 
 しかしながら本反応では、触媒/基質を
溶解させる有機溶媒中において、
活性と選択性双方の著しい低下が
見られた。
 
 また、溶媒を用いない条件でも反応は
進行せず、水に溶けない状態が
最も効果的であった。
 
 水に溶けない性質から本触媒系は
取り扱いの簡便性、耐久性に優れており、
金属が漏れ出ることなく反応後の
触媒のリサイクルも可能であり、
環境調和型の効率的な不斉合成を
実現している。
 
 有機溶媒中で報告されている
既存の手法をも上回る触媒作用を
実現しており、溶媒として水を積極的に
活用する有機合成の展開が期待される。
 
 本研究成果は、米国化学会誌
「Journal of the
 American Chemical
 Society」のオンライン速報版で
12月8日に公開される。
 
 なお、本研究は、科学技術振興機構
(JST)の戦略的創造研究推進事業
先導的物質変換領域(ACT-C)
および日本学術振興会(JSPS)
研究研究費助成事業 特別推進研究の
一環として行われた。
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 なにやら難しいです。
 
>今回は、「溶けないもの同士が効率的に
>反応する」という、
>これまでの溶液反応の基礎において
>常識を塗り替える発見をしたが、
>なぜそのような現象が起こるかに
>ついては不明であり、
>今後、詳細な反応機構の解明が
>必要である。
 新しい発見への道が開けましたね。
 
>近年水中で展開されてきた
>有機化学に新たな領域を切り拓くと
>同時に、不溶性触媒と溶媒としての水を
>活用することで、均一系触媒や
>有機溶媒中では達成できない
>精密な触媒的不斉合成発展が
>期待される。
 
 とのことで新しい展開に期待したい。

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