カーボンナノチューブの新しい光機能「アップコンバージョン発光」を発見 -生体組織内部の近赤外光イメージング応用に期待-
2015年11月17日 京都大学 研究成果
詳細は、リンクを参照して下さい。
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宮内雄平 エネルギー理工学研究所
准教授、松田一成 同教授らの
研究グループは、近赤外波長領域の
優れた発光体として知られ、
生体組織内部の発光イメージングや
生体埋込型光バイオセンサー等への
応用が期待されているナノ炭素材料
「カーボンナノチューブ」を、
従来とは全く異なる新しい方法で
光らせることが出来ることを発見
しました。
本研究成果は、2015年11月16日に
英国科学誌
「Nature Communications」誌の
ウェブサイトに掲載されました。
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研究者からのコメント
今回の発見は、これまで誰も予想すら
していなかったカーボンナノチューブの
新奇な光機能が明らかになったという
基礎科学的な意義を持つと同時に、
カーボンナノチューブを用いた生体内部の
発光イメージングや
生体埋込型光バイオセンサーが、
これまでよりも身近に、広く利用できる
ようになることに繋がるものと期待して
います。
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概要
物質に光を照射すると、照射した光とは
異なる波長の光(蛍光)が放出されること
があります。
一般的な蛍光物質では、蛍光の波長は、
照射した光の波長よりも長いことが
「ストークスの法則」と呼ばれる経験則
として知られています。
今回研究グループは、
カーボンナノチューブにおいて、
「アップコンバージョン発光」と呼ばれる、
ストークスの法則に従わない
珍しい蛍光発光現象が生じることを
世界で初めて見いだしました。
今回の研究では、直径0.8ナノメートル
程度のカーボンナノチューブに
1100ナノメートルから
1200ナノメートル程度の波長の
近赤外光を照射すると、
波長が100ナノメートルから
200ナノメートル程度短くなった
950ナノメートルから
1000ナノメートル程度の蛍光が得られる
ことが分かりました。
研究グループは、ナノチューブに特有の
ユニークなアップコンバージョン
発光メカニズムも突き止めています。
詳しい研究内容について
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素晴らしい。
新しいフォトン・アップコンバージョン
現象の発見ですね。
>照射する光として生体透過性の高い波長
>1100ナノメートルの近赤外光を使って、
>シリコン製のCCDカメラで捉える事が
>できる1000ナノメートル以下の
>短い波長の領域でナノチューブを
>光らせることができます。
良いですね。
これは薬と違って早い時期に製品化
できそうです。
期待しています。
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