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2015年12月23日 (水)

CD4陽性キラーT細胞への分化機構を解明-CRTAMタンパク質による刺激がキラー細胞へと分化誘導する-

2015年12月21日 理化学研究所
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 私たちの体には、過去に感染した細菌や
ウイルスなどに対して抵抗性を獲得する
仕組みが備わっています。
 
 この仕組みを「獲得免疫」と呼び、
主に白血球の1種であるリンパ球が
重要な役割を担っています。
 
 リンパ球にはT細胞とB細胞の2種類
があり、T細胞はさらにCD4陽性T細胞と
CD8陽性T細胞に大別されます。
 
 CD4陽性T細胞は、抗体を分泌する
B細胞の働きを助ける
「CD4陽性ヘルパーT細胞」へ、
CD8陽性T細胞は、インフルエンザなど
のウイルス感染細胞やがん細胞を
殺傷する「CD8陽性キラーT細胞」へ
分化します。
 
 ところが、CD8陽性キラーT細胞は
感染が慢性化すると、殺傷力が
弱まります。
 
 すると、それを補うように
CD4陽性T細胞の一部が殺傷力を持った
「CD4陽性キラーT細胞」へ分化して
働くようになります。
 
 しかし、どのように分化誘導される
のか、そのメカニズムは未解明でした。
 
 共同研究グループは、一部の
CD4陽性T細胞にCRTAMと呼ばれる
細胞表面に存在するタンパク質が
発現していることに注目して、
分化のメカニズム解明に挑みました。
 
 まず、マイクロアレイを使って
CRTAMを発現しているCD4陽性T細胞で
働いている遺伝子を網羅的に解析した
ところ、CD8陽性キラーT細胞で働く
4つの遺伝子も同時に発現していて、
似ていることが分かりました。
 
 また、定量的に細胞傷害活性を調べた
ところ、CRTAMを発現している
CD4陽性T細胞とCD8陽性キラーT細胞には、
等量の強力な細胞傷害活性がありました。
 
 さらに、人為的にCRTAMの遺伝子を
CD4陽性T細胞に発現させると、
CD4陽性キラーT細胞に効率的に
分化しました。
 
 一方、CRTAMの細胞内領域を欠損した
マウスのT細胞からは、
CD4陽性キラーT細胞を誘導することは
できませんでした(図)。
 
 これらの結果から、CRTAMの刺激が
CD4陽性キラーT細胞の分化誘導に
重要な役割を果たしていることが
示されました。
 
 今回の成果により、CD4陽性キラーT細胞
の同定が容易になり、CRTAMの発現を
制御することで、効果的に
CD4陽性キラーT細胞へ分化誘導することが
可能となりました。
 
 今後、CRTAMの特徴を利用することで、
感染症やがんなどの治療に役立つ
可能性があります。
 
 
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 免疫療法には期待しています。
 その意味で、今回の発見が役立つと良い
ですね。
 
>今後、CRTAMの特徴を利用することで、
>感染症やがんなどの治療に役立つ
>可能性があります。
 
 一筋縄では行かないとは思いますが、
期待したいと思います。

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