実験的トキソプラズマ不活化ワクチン、免疫的効果発揮に宿主分子「p62」が重要な役割-大阪大
2015年10月15日 qlifepro
詳細は、リンクを参照して下さい。
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大阪大学免疫学フロンティア
研究センターは10月2日、同大学微生物病
研究所の山本雅裕教授
(免疫学フロンティア研究センター兼任)
らの研究グループが、p62と呼ばれる
宿主分子が、病原性寄生虫
「トキソプラズマ」の実験的不活化
ワクチンの免疫的効果発揮に重要な役割
を果たすことを発見したと発表した。
トキソプラズマは、エイズや
抗がん剤投与下にある免疫不全の大人で、
致死的な脳炎や肺炎を引き起こす病原体。
また、健康な妊婦が初感染すると
胎児に垂直感染し、流産や死産、
さらには新生児がトキソプラズマに感染
した状態で生まれ、先天性疾患の原因
ともなる。
現在、ヒトで使用可能なトキソプラズマ
のワクチンは存在せず、マウスなどの
実験動物を用いて不活化ワクチン開発の
ための基礎研究が進められている。
しかし、トキソプラズマ不活化ワクチン
がどのようにして免疫的効果を発揮する
のか、特にワクチンを投与された側の
体内でどのような免疫反応が最初に起きる
ことが重要なのかについては、
よく分かっていなかった。
今回の研究により、研究グループは
インターフェロンガンマ刺激依存的な
宿主タンパク質であるp62が、
トキソプラズマに蓄積することを確認。
また、トキソプラズマ感染細胞では、
p62とインターフェロンガンマ依存的に
キラーT細胞活性化能が高まることが
判明した。
さらに、p62欠損マウス個体では、
トキソプラズマ不活化ワクチン投与に
対するキラーT細胞活性が著しく低下
することが分かったという。
ワクチン開発が進まず、日本を含め
半ば「無視された感染症」
(Neglected Infectious Diseases)の
状態となっているトキソプラズマ症
に対して、p62を新たな標的とし、
その機能を高める等によって、
新規の治療・予防戦略を提供できると
期待されている。(横山香織)
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希望が持てそうです。
大いに期待したい。
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