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2015年10月 2日 (金)

鉄系高温超伝導の磁石化に成功

平成27年9月30日
科学技術振興機構(JST)
東京農工大学
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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ポイント
 
○希少元素を使用しない、新しい高性能
 磁石開発が求められていた。
 
○多結晶バルク(塊)を用いて、市販の
 ネオジム磁石の2倍の磁力を持つ
 鉄系高温超伝導体の磁石化に初めて
 成功した。
 
○10テスラ級の小型磁石が数年以内に
 実現することが期待できる。
 
 
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 JST戦略的創造研究推進事業において、
東京農工大学の山本 明保 特任准教授
らは、鉄系高温超伝導を応用した
強力磁石の開発に初めて成功しました。
 
 医療・エネルギー分野の先端機器に
使用される強力な超伝導磁石は、極低温で
動作可能となることから、冷却のために
稀少で高価な液体ヘリウムが用いられて
います。
 
 また、ネオジム磁石をはじめとする
強磁性磁石ではレアアース元素が必須
でした。
 
 そのため液体ヘリウムを 使わず、
より高い温度で使える高温超伝導体の
研究開発が進められてきましたが、
これまで鉄系高温超伝導体を磁石にする
技術は確立されていませんでした。
 
 山本特任准教授らは、結晶サイズを
ナノ領域(ナノは10億分の1)まで
微細化した多結晶をバルク(塊)状に
することで、直径1cmの小型サイズ
でも鉄系高温超伝導体が1テスラを超える
強力な磁石となることを実証しました。
 
 また、ナノ多結晶からなる鉄系バルク
磁石は磁力の均一性が高く、さらに硬く
割れにくいことを明らかにしました。
 
 原料にレアアース元素を含まず、
作製プロセスも単純・安価であり、
小型冷凍機で動作させることができる
ので、強力な超伝導磁石の小型化、
ポータブル化の道がひらくと期待されます。
 
 セラミックス合成の標準的な
作製プロセスが応用できるため、
他の材料でも同様の強力磁石ができると
予想され、ナノ多結晶からなる
超伝導バルクは強力磁石開発の
新しい指針となると期待されます。
 
 本研究は、米国立強磁場研究所の
エリック・ヘルストロム 教授、
デビッド・ラバレスティエ 教授らと
共同で、日本学術振興会科学研究費補助金、
アメリカ国立科学財団の助成を一部受けて
行ったものです。
 
 本研究成果は、2015年9月30日
(英国時間)に英国物理学会発行の科学誌
「Superconductor
 Science and
 Technology」の
オンライン速報版で公開されます。
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 期待できそうですね。
 
>強磁性永久磁石では向きの揃った
>スピンが、コイル電磁石では
>電流ループが磁場の起源で、
>それぞれ磁化、外部電源からの
>電流供給により磁石となる。
 
>一方、超伝導バルク磁石では電磁石と
>同様に超伝導電流ループが磁場の
>起源であるが、永久磁石と同様に
>一度磁化すると、遠隔的に誘導された
>超伝導電流ループが抵抗ゼロのため
>減衰せず、冷却下では永久磁石と
>同じように使用することができる。
 
>超伝導体の電流エネルギー密度は
>銅より100倍以上高いため、
>小型でも非常に強力な磁石になる。
>今回、数十ナノメートルの微細な
>鉄系高温超伝導体の結晶をバルク(塊)
>にすることで、1テスラを超える磁力を
>持つ強力磁石にすることに成功した。
 
 期待しましょう。

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