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2015年9月23日 (水)

iPS 細胞を用いる新時代の移植医療における新しい免疫制御法を提案~iPS 細胞から分化誘導した免疫抑制細胞により拒絶反応を抑えることに成功~

2015/9/15 北海道大学プレスリリース
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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研究成果のポイント
 
・iPS 細胞を用いるこれからの時代の
 移植医療において予想される課題を
 克服する方法を提案し検証。
 
・iPS 細胞から再生医療に用いる移植片と
 免疫抑制細胞を作製。
 
・移植実施に際してiPS細胞由来免疫抑制
 細胞を投与することで拒絶反応を抑制
 することに成功。
 
 
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研究成果の概要
 
 ES 細胞や iPS 細胞等の多能性幹細胞は,
様々な種類の細胞に分化することのできる
細胞であり,再生医療への応用が
期待されています。
 
 他人の臓器や細胞を移植すると,
免疫の働きにより拒絶反応が生じ体内から
排除されてしまうため,免疫系の制御が
非常に重要です。
 
 同じことが多能性幹細胞から作り出した
細胞や組織を移植する場合にも
当てはまります。
 
 本研究グループは,多能性幹細胞から
作り出した細胞や組織を移植医療に
用いるようなこれからの再生医療時代に
必要とされる免疫制御法を新たに提案し,
その有効性を検証しました。
 
 同研究グループは,マウス iPS 細胞
から再生医療に用いる細胞(移植片)
とともに免疫系を抑制する細胞を作り,
他者間移植における拒絶反応を抑制する
方法を考案しました。
 
 他者の関係にあたるマウスへの移植に
際して iPS 細胞由来免疫抑制細胞を
投与することで,iPS 細胞由来の移植片の
生着期間(移植片が拒絶されずに体内に
留まる期間)を延長させることに
成功しました。
 
 免疫抑制細胞の投与を受けたマウスの
血液を調べた結果,拒絶反応に関わる
抗体の産生が減弱していることがわかり,
免疫抑制細胞は生体内で実際に拒絶反応
の抑制に効果を発揮している可能性が
示されました。
 
 この成果により,iPS 細胞から移植片を
作製すると同時に,免疫制御細胞も
作製して拒絶反応を抑制するという
コンセプトの有用性が示されました。
 
 他者由来 iPS細胞を用いる新時代の
移植医療,再生医療への応用が
期待されます。
 
 なお,本研究は,遺伝子病制御研究所
免疫生物分野の清野研一郎教授と
医学研究科腎泌尿器外科学分野の
篠原信雄教授の共同研究です。
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 素晴らしい成果だと思います。
 
>iPS 細胞由来免疫抑制細胞を投与する
>ことで拒絶反応を抑制することに成功
 画期的だと思う。
 
 今まで、iPS細胞は再生医療とか新薬の
スクリーニングなどに使用するという応用
が殆どだったと思いますが、これは全く
違った挑戦。
 
 これからに期待したい。

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