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2015年7月 1日 (水)

炎症がRNA分解により制御されるメカニズムを解明

~2つのブレーキが炎症を巧妙に
ストップする~
平成27年5月22日
京都大学
科学技術振興機構(JST)
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 JST戦略的創造研究推進事業において、
京都大学 ウイルス研究所の竹内 理 教授
らの研究グループは、病原体感染などに
対する炎症反応が、RNA分解酵素
Regnase-1注1)と
RNA結合蛋白質Roquin注2)
という、不必要なmRNAを分解する
2つのブレーキシステムにより巧妙に
制御されていることを解明しました。
 
 病原体感染に対する炎症反応は、
マクロファージなどの自然免疫注3)
担当細胞が炎症性サイトカイン注4)を
分泌することにより引き起こされます。
 
 炎症の活性化と抑制がバランス良く
調節されていますが、このバランスの
破綻が、免疫不全症や、自己免疫疾患
を始めとした炎症性疾患の原因となる
と考えられています。
 
 マクロファージから分泌される
炎症性サイトカインの量はmRNA産生と
分解により厳密に制御されていることが
知られています。
 
 これまで、Regnase-1、
Roquinという蛋白質がmRNAに
結合し分解すること、これらの分子を
マウスで欠損させると自己免疫疾患を発症
することが分かっていましたが、
その詳細な機構は不明でした。
 
 本研究では、2つの異なるRNA結合
蛋白質Regnase-1と
Roquinが、
 
1)炎症性サイトカインmRNAに
存在する同じステムループ構造を認識し
分解することで炎症性サイトカイン量を
制御していること、
 
2)しかし機能する空間/場、分解する
mRNAの翻訳注5)状態や分解の
メカニズムが異なること、
 
3)分解する時期も、それぞれ炎症早期、
後期と異なることを解明しました。
 
 本研究は、過剰もしくは慢性的な炎症で
生じる炎症性疾患の病態解明や、
新たな治療法の開発につながることが
期待されます。
 
本研究は、ドイツ
マックス・デルブリュック分子医学センター
(MDC)、近畿大学、大阪大学、
東京大学、オーストラリア国立大学と
共同で行ったものです。
 
 本研究成果は、2015年5月21日
(米国東部時間)発行の米国科学誌
「Cell」に掲載されました。
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>Regnase-1とRoquin
>という2つの蛋白質が、
>炎症性サイトカインのRNAを分解
>することで炎症のブレーキとして
>働いています。
 ふ~ん。
 
 Regnase-1とRoquin
という2つの蛋白質の増減はどこが
何をトリガーにして制御しているので
しょうか?
 
 この辺が分かってくると、過剰もしくは
慢性的な炎症で生じる炎症性疾患の
病態解明や、新たな治療法の開発に
つながって行くということかな?
 
 期待しましょう。
 
 炎症の抑制のバランスをとっている
ひとつの仕組みがわかったということ
のようです。

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