喘息を抑える新しいメカニズムの発見
平成27年7月22日
東京大学
科学技術振興機構(JST)
詳細は、リンクを参照して下さい。
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ポイント
○気管支喘息を抑える新しい免疫応答機構
を発見した。
○同じマスト細胞注1)でも、アレルゲン
に結合した免疫グロブリンE(IgE)
注2)によって刺激された場合には
気管支喘息を悪化させるが、
インターロイキン33(IL-33)
注3)で刺激された場合には、
制御性T細胞注4)を増やして
気管支喘息を抑制することを初めて
明らかにした(図)。
○生体内におけるマスト細胞の機能
のうち、制御性T細胞の誘導能のみを
発揮させる方法を確立することにより、
気管支喘息の新たな治療法の開発に
つながる可能性がある。
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東京大学 医科学研究所の中江 進
准教授らは、国立研究開発法人 国立成育
医療研究センター研究所などとの共同研究
によって、気管支喘息を抑える新しい
免疫応答機構を発見しました。
気管支喘息の治療は、ステロイドや
β-アドレナリン受容体選択的刺激薬の
吸入による対症療法が現在の主流と
なっています。
薬剤吸入によって気管支喘息を一時的に
抑えることができますが、完治は
できないため、長期間薬剤の継続投与を
する必要性があります。
そのため、気管支喘息の完治を目指す
新たな治療法の開発が望まれています。
近年、欧米ではリウマチなどの
自己免疫疾患や臓器移植での拒絶応答を
抑える新しい治療法として炎症抑制機能を
持つ制御性T細胞の移植が行われ、
その有効性が示されています。
制御性T細胞の移植は気管支喘息などの
アレルギー疾患においても有効な治療法
として期待されています。
ただし、血中から取れる制御性T細胞は
非常にわずかであるのに対し、この治療
には、大量の制御性T細胞が必要となる
ことが難点でした。
マスト細胞は、アレルゲンと結合した
IgE抗体によって刺激されると、
気管支喘息を含む様々なアレルギー疾患を
悪化させる免疫細胞です。
今回の研究成果は、マスト細胞は、
IL-33という体内分子で活性化される
と制御性T細胞だけを選択的に増やし、
その結果、気管支喘息を抑制する作用が
あることを初めて明らかにしました(図)。
このマスト細胞による制御性T細胞の
新規誘導機構の発見は、アレルギーや
自己免疫疾患、臓器移植での拒絶応答に
対する新たな治療法の開発に寄与すること
が期待されます。
本研究は、国立研究開発法人 科学技術
振興機構 戦略的創造研究推進事業、
厚生労働省 免疫アレルギー疾患等予防
・治療研究事業、文部科学省 科学技術
振興調整費 若手研究者の自立的研究環境
整備促進、日本学術振興会 科学研究費
補助金 若手研究(A)、日本学術振興会
科学研究費補助金 若手研究(B)の
一環として行われました。
本研究成果は、2015年7月21日
正午(米国東部時間)、米国科学雑誌
「Immunity」で公開されます。
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>気管支喘息を抑える新しい免疫応答機構
>を発見した。
>同じマスト細胞でも、インターロイキン
>33(IL-33)で刺激された場合
>には、制御性T細胞注4)を増やして
>気管支喘息を抑制する。
とのこと。
結果、
>生体内におけるマスト細胞の機能
>のうち、制御性T細胞の誘導能のみを
>発揮させる方法を確立することにより、
>気管支喘息の新たな治療法の開発に
>結びつくことが期待されます。
おおいに期待したい。
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