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2015年7月27日 (月)

痛みが神経の病気を悪化させることを実証

2015/7/24 北海道大学プレスリリース
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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研究成果のポイント
 
・これまで痛みは,単に病気の副産物と
 考えられていて,病気の症状や進行との
 直接的な関連性は知られていなかった。
 今回,痛みそのものが神経の病気の
 再発のきっかけとなることを実証した。
 
・ヒトの中枢神経の病気である
 「多発性硬化症疾患」のモデルマウスに
 実験的に痛みを与えると,治まっていた
 病態が再発することを発見した。
 逆に,痛みを抑制すると病態の再発が
 抑制された。
 
・ヒトにおいても,痛み自体の抑制,
 あるいは痛み由来の神経ネットワークを
 抑制することで,多発性硬化症を含む
 多くの中枢神経系の病気の再発を防ぐ
 新たな手段となる可能性を示した。
 
 
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 痛みは多くの病気に共通する症状であり,
慢性的な痛みは生活の質を大きく損ない
ます。
 
 しかし,これまで痛みは単に病気の
副産物と考えられていて,痛みが直接,
病気を悪化することは知られていません
でした。
 
 今回,「痛み」を介する
神経ネットワークが,病気の症状に
どのような影響を与えるのかを
多発性硬化症(1)の動物モデル(EAE)(2)
マウスを使って調べました。
 
 その結果,実験的に痛みを与えると
EAEの症状が悪化し,逆に鎮痛剤を
与えるとその症状が改善しました。
 
 このことは,痛みが直接的に病気の進行
に関与していることを示しています。
 
 次に,一過性に病気を発症するような
マウスを利用して,症状が落ち着いたとき
(寛解期)に痛みを誘導しました。
 
 すると,EAE の症状が再発しましたが,
他のストレスでは EAE は再発しません
でした。
 
 私たちは 2012 年に,地球の重力が
ふくらはぎの筋肉を刺激することによって
生じる神経ネットワークが,結果的に
腰髄の血管に免疫細胞を集めることで
EAE を発症させる新しい免疫現象
「ゲートウェイ反射(3)」を報告して
いますが,今回の痛みによる再発は,
それと同じ経路により起こることも
分かりました。
 
 つまり,私たちが発見した
ゲートウェイ反射の 2 つ目の例と
いうことになります。
 
 ヒトの多発性硬化症は再発と寛解を
繰り返し,痛みを伴うことが知られて
いますが,今回の発見は,痛み自体が
多発性硬化症の再発のきっかけとなる
ことを示唆しています。
 
 すなわち,痛みを起点とする
神経ネットワークの抑制が,
多発性硬化症を含む多くの病気の再発を
防ぐ新たな手段になる可能性が
示されました。
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 大変興味深い発見です。
 
 根治治療には繋がらないけれども、
再発を防ぐ手段に新たな可能性が示された
ということですね。
 
 「ゲートウェイ反射」と同じ経路で
起こるということは、痛みが免疫細胞を
集めるということですね。
それによって自己免疫疾患としての
多発性硬化症の再発が起こると、
 
 鎮痛作用を起こす薬は自己免疫疾患
に対して効果をもたらす可能性が出て
来たと言って良いのかな?
 
 更なる研究に期待したい。

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