腸内細菌が免疫調節たんぱく質と免疫制御細胞を誘導し腸管免疫の恒常性を保つしくみを解明
平成27年7月1日
慶應義塾大学 医学部
科学技術振興機構(JST)
詳細は、リンクを参照して下さい。
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慶應義塾大学 医学部 微生物学
・免疫学教室の研究グループ
(吉村 昭彦 教授ら)は、同内科学教室
(消化器)の金井 隆典 教授らとの
共同研究により、腸内の細菌叢を改善する
プロバイオティクス注1)である
クロストリジウム属細菌の
菌体成分ペプチドグリカン注2)が、
免疫調節たんぱく質と免疫制御細胞を
誘導し、腸炎を抑えるしくみを
解明しました。
本研究グループは、クロストリジウム
・ブチリカム MIYAIRI588株
注3)(以下、本クロストリジウム菌株)
を餌に混ぜてマウスに投与し、免疫の制御
に重要な制御性T細胞(Tレグ)注4)が
増加し腸炎が抑制されることに
着目しました。
制御性T細胞の増加の仕組みを詳細に
解析したところ、本クロストリジウム菌株
の細胞壁のペプチドグリカンが、免疫細胞
の一種である樹状細胞注5)を刺激し、
その結果、トランスフォーミング
増殖因子-β(TGF-β)注6)と
呼ばれる免疫を抑えるたんぱく質の分泌が
促進されることを突き止めました。
さらにこれまで明らかにされていなかった
マウス腸管樹状細胞の染色体レベルでの
TGF-βの産生メカニズム
(エピゲノム制御注7))も解明し、
より効率よくTレグを誘導する方法を
明らかにしました。
今後、潰瘍性大腸炎やクローン病などの
炎症性腸疾患やアレルギーに対して効果的
で安全性が高い治療法の開発が
期待されます。
本研究成果は2015年6月30日
(米国東部時間)に米国科学雑誌
「Immunity」オンライン版で
公開されます。
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>プロバイオティクスとして知られる
>クロストリジウム属細菌の一種
>クロストリジウム・ブチリカム
>MIYAIRI588株
>(以下、本クロストリジウム菌株)を
>用いて、腸内細菌によるTGF-βと
>Tレグの誘導のメカニズムを
>検討しました。
>その結果、本クロストリジウム菌株の
>主な菌体成分であるペプチドグリカンが
>腸管の樹状細胞(腸管樹状細胞)を
>刺激してTGF-βを産生し、
>TGF-βによって免疫を制御する
>Tレグが誘導されて炎症を抑制する、
>という全体像が明らかとなりました
クロストリジウム属細菌の一種が腸内の
細菌叢を改善すると言う話しは聞いて
いましたが、その仕組みの一つを解明
したようですね。
プロバイオティクスの研究重要です。
さらなる研究の進展に期待しています。
腸炎やアレルギーを抑制できる可能性
は十分にあると思っています。
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