脊髄小脳失調症6型の進行に脳内免疫システムが関与
平成27年6月18日
東京医科歯科大学
科学技術振興機構(JST)
詳細は、リンクを参照して下さい。
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ポイント
○小脳の神経細胞が徐々に脱落し運動機能
が低下する脊髄小脳失調症6型の病態
に、神経炎症が関与することを初めて
示しました。
○ミクログリア細胞の活性を抑えることで
脊髄小脳失調症6型モデルマウスの
初期病態を軽減させることに成功
しました。
○脊髄小脳失調症の新規治療法開発への
応用が期待できます。
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東京医科歯科大学 脳統合機能研究
センターの渡瀬准教授と相川特任助教の
研究グループは、脊髄小脳失調症6型
(SCA6)の病態の進行に、脳内の免疫
を担うミクログリア注1)と呼ばれる細胞
の活性化が関与していることをつきとめ
ました。
この研究は文部科学省 科学研究費
補助金ならびに科学技術振興機構
(JST) 戦略的創造研究推進事業
(CREST)の支援のもとで
おこなわれたもので、その研究成果は、
国際科学誌Human Molecular
Geneticsに、
2015年6月1日付けでオンライン速報版
が先行公開され2015年6月18日
午前9時5分(英国夏時間)に
完全版がオンライン発表されます。
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概要
SCA6モデルマウスとの交配により、
ミクログリアの活性化の抑制を試み
ました。
その結果、作成した2重変異マウスでは
運動機能改善やプルキンエ細胞変性が
抑制され、SCA6の症状が改善して
いました。
これらの結果は、ミクログリアの活性化
がSCA6の病態を悪化させることを
示唆するものです。
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久しぶりの脊髄小脳変性症関連の
研究発表ですね。
少なくとも、SCA6モデルマウスの
病初期ではミクログリアM1型が優位に
活性化することがSCA6の病態を悪化
させているということのようです。
今後の研究の進展次第では、有効な
治療法が開発されるかも知れません。
おおいに期待したい。
SCA6は自己免疫疾患?
国内では脊髄小脳変性症に関する
研究報告がないに等しい。
もっと、もっと研究成果を出して
欲しいと思います。
情報不足です。
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