塗って作れる太陽電池で変換効率10%を達成
平成27年5月26日
理化学研究所
北陸先端科学技術大学院大学
高輝度光科学研究センター
科学技術振興機構(JST)
詳細は、リンクを参照して下さい。
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理化学研究所(理研) 創発物性科学
研究センター 創発分子機能研究グループ
の尾坂 格 上級研究員、瀧宮 和男
グループディレクターと北陸先端科学技術
大学院大学の村田 英幸 教授、
バルーン ボーラ 博士研究員、
高輝度光科学研究センターの小金澤 智之
研究員らの共同研究チームは、
半導体ポリマー注1)を塗布して作る
有機薄膜太陽電池(OPV)注2)の
エネルギー変換効率(太陽光エネルギーを
電力に変換する効率)を、10%まで向上
させることに成功しました。
また、変換効率の向上には、
半導体ポリマーの分子配向注3)に合った
構造のOPVを作製することが重要である
ことを明らかにしました。
OPVは軽量で柔軟な上、
半導体ポリマーを塗布することで
作製できるため大面積化が可能です。
このため、低コストで環境負荷が少ない
プロセスで製作でき、現在普及している
シリコン太陽電池にはない特長を持つ
次世代太陽電池として注目されています。
OPVの研究開発では、変換効率
10%の達成が1つの目標とされて
きました。
最近、国内大手企業や欧米の
ベンチャー企業が変換効率10%の達成に
成功していますが、その技術内容は
ほとんど公開されていませんでした。
今回、共同研究チームは、理研の
研究チームが以前開発した結晶性の高い
半導体ポリマーを発電層に用いた
OPV素子を改善することで、
従来6%程度であった変換効率を
10%まで向上させることに
成功しました。
また、大型放射光施設
「SPring-8」注4)にて、
改善した発電層のX線構造解析を行った
ところ、OPV素子の上部電極と
下部電極付近で半導体ポリマーの分子配向
が異なり、素子の上下方向で電荷の
流れやすさが異なることが分かりました。
さらに、この構造の素子では、光吸収に
より発生した電荷が流れやすい方向に
合うように陽極と陰極が配置されており、
これが効率向上の鍵であることを
解明しました。
本研究により、OPVの変換効率
10%達成のために必要な
半導体ポリマーの分子構造や物性、
分子配向と素子構造との関係を解明する
ことができました。
この知見を基に半導体ポリマーを
改良することで、実用化の目安とされる
変換効率15%達成に向けた研究が
加速すると期待できます。
本成果は、英国の科学雑誌
『Nature Photonics 』
オンライン版(5月25日付け
:日本時間5月26日)に掲載されます。
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>OPVの研究開発では、変換効率10%
>の達成が1つの目標とされてきました。
達成したということですから、
とりあえず「おめでとうございます」
実用化の目安は変換効率15%のようで、
あとどの程度の時間がかかるのか
わかりませんが、
一応期待しています。
安価というところに期待ですね、
ただ、せっせと安価な太陽電池が開発
されたところで、再生可能エネルギーの
比率は凄く少ないので、今の政府では
開発に熱心になれないのでは?
用途が違うかもしれないので違うかな?
輸出に対する期待はあるか?
困ったもんです。
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