新潟大、脳梗塞に対する画期的な治療薬を発見
2015年4月3日 財経新聞
詳細は、リンクを参照して下さい。
---------------------------------------
新潟大学の研究者グループは、脳梗塞
治療で最も有効とされる血栓溶解療法の
弱点である合併症(脳出血・脳浮腫)を
引き起こすタンパク質を特定し、弱点を
克服する新たな治療法を世界に先駆けて開発した。
今後、これまで短かった脳梗塞の
治療可能時間が大幅に延長される可能性が
あるという。
研究成果はBrain 誌(Brain:A Jornal
of Neurology, 5YEAR IMPACT FACTOR
10.846)に掲載される。
脳の血管が詰まることで発症する脳梗塞
は、近年増加し、後遺症に苦しむ患者も
多く、治療にかかる医療費は増加の一途を
たどっている。
そうした中、脳梗塞治療において最も
有効な治療法に「組織プラスミノゲン・
アクチベーター(tPA)」を用いた
血栓溶解療法がある。
しかしこの治療法は、治療可能時間が
4.5時間以内と極めて短く、脳梗塞患者の
5%未満しかその治療の恩恵を受けられて
いない。
その理由は、発症後に時間が経過
すると、脳の神経細胞だけでなく、血管
にも障害が起こり、脳出血や脳浮腫
(脳のむくみ)を生じやすくなるためだ。
そこで同大研究チームが改善策を探求
した結果、プログラニュリンという欠乏
すると認知症を引き起こす蛋白質を、
tPAと一緒に投与すると、tPAの副作用の
脳出血や脳浮腫を防ぐのみならず、
神経細胞を保護し、かつ炎症細胞を抑制
して脳梗塞のサイズまで縮小することを、
動物モデルを用いて世界で初めて明らかに
した。
プログラニュリンをtPAとともに使用
することで治療可能時間を延長できき、
①tPAによる血栓溶解療法が行われる
患者数の増加、
②副作用である脳出血、脳浮腫をおこす
患者が減ることによる予後の改善、
③脳梗塞の大きさを縮小する効果
―などに繋がることが期待されるという。
(町田光)
---------------------------------------
素晴らしい。待ってました。
なんとかtPAの使用可能時間の延長が
できないものかと思っていましたが、
その可能性が大きくなりましたね。
今後におおいに期待したい。
参考リンクです。
2015年04月03日
Neurology 興味を持った「神経内科」
論文
| 固定リンク
「医療関連ニュース」カテゴリの記事
- iPS細胞由来の免疫キラーT細胞を用いることで悪性リンパ腫の治癒に成功〜難治性NK細胞リンパ腫に対する新規細胞治療法へ期待〜 (2019.10.14)
- 炎症反応を強力に抑える活性イオウ誘導体の開発に成功(2019.04.16)
- 皆保険制度の国で在住外国人に健康格差の懸念 ~ 富裕層対象の医療政策導入で悪化の恐れ日本人医師グループが英医学誌で注意を促す ~(2019.03.13)
- 脳腫瘍に対するウイルス療法の医師主導治験で高い治療効果を確認―日本初のがん治療ウイルス薬の製造販売承認申請へ―(2019.02.18)
- 国内初の医師向けオンライン診療手引書が完成 -安全で質の高い遠隔医療の普及に向けて-(2019.01.13)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント