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2015年4月 2日 (木)

抗体が骨を壊す ~自己免疫疾患に伴う骨粗しょう症のしくみの一端を解明~

平成27年3月31日
東京大学
科学技術振興機構(JST)
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 関節リウマチは、自己免疫疾患の中でも
最も発症頻度が高い疾患です。
 
 関節リウマチは関節部位に炎症が
起こり、骨が壊れる疾患ですが、関節部位
の骨の破壊だけでなく全身の骨量が低下
する骨粗しょう症も伴います。
 
 関節リウマチだけでなく、
全身性エリテマトーデスなどの
自己免疫疾患や、慢性炎症性腸疾患などの
炎症性疾患、多発性骨髄腫においても、
骨粗しょう症を伴うことが知られて
います。
 
 しかし、炎症に伴う骨破壊や
骨粗しょう症のメカニズムは十分に解明
されていないため、これを未然に防ぐこと
は困難です。
 
 東京大学 大学院医学系研究科の
高柳 広 教授と古賀 貴子 特任助教らの
研究グループは、多くの自己免疫疾患や
炎症性疾患などに共通して増加する
抗原・抗体複合体(免疫複合体注1))
が、骨を壊す細胞である破骨細胞に直接的
に働きかけて骨を減少させることを
見いだしました(図1)。
 
 自己免疫疾患を自然に発症するマウスの
解析や、免疫複合体を局所的または全身に
投与したマウスの骨の解析、および
関節リウマチの症状を再現した遺伝子改変
マウスを用いた遺伝子発現解析などの手法
により、免疫複合体が増加し、それを認識
する受容体たんぱく質
(Fcγ受容体注2))の発現バランスが
変化していることが、間接リウマチに
おける局所的な骨の破壊だけでなく、
全身性の骨粗しょう症の一因となることを
明らかにしました。
 
 本研究は、抗体の骨における新しい役割
を見いだし、免疫複合体がさまざまな
自己免疫疾患や炎症性疾患に伴う骨の破壊
と骨粗しょう症を早期発見する有効な
バイオマーカーになることが期待
されます。
 
 本成果は国際科学誌
「Nature
 Communications」に、
2015年3月31日(米国東部時間)に
オンライン版で発表されます。
 
 なお、本研究は独立行政法人
科学技術振興機構(JST)
戦略的創造研究推進事業
「高柳オステオネットワーク
プロジェクト」の一環として行われ
ました。
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 自己免疫疾患というのは本当にやっかい
ですね。
 
>多くの自己免疫疾患や炎症性疾患など
>に共通して増加する抗原・抗体複合体
>(免疫複合体注1))が、骨を壊す細胞
>である破骨細胞に直接的に働きかけて
>骨を減少させることを見いだしました。
 
 免疫複合体が悪さをするらしい。
 
>免疫複合体は、通常、補体の働き
>によりマクロファージなどの貪食細胞
>によって速やかに処理される。
 はずだが、上手く行かない状態が生ずる
と、こういうことになる。
 なるほど、
 
>IgG免疫複合体は、感染、自己免疫
>疾患、多発性骨髄腫などの多くの疾患で
>増加します。
>RAでは、リウマチ因子注5)や
>抗シトルリン化たんぱく抗体注6)など
>による免疫複合体が増加しますが、
>本研究により、これが直接破骨細胞を
>増やし骨破壊に関与することが明らかに
>なりました。
 
>また、RAを含む自己免疫疾患に伴って
>発生する骨粗しょう症の主な原因は
>治療に使われるステロイドの副作用と
>考えられてきましたが、免疫複合体
>による直接作用も重要であることが
>わかりました。
 
>今後、血清中の免疫複合体の値は、
>炎症性の骨破壊や炎症に伴う
>骨粗しょう症の診断に役立つ
>バイオマーカーとなる可能性が
>あります。
 
>そして、免疫複合体除去療法や抗体の
>活性を制御するシアル化注7)阻害剤
>が炎症性骨破壊や炎症に伴う
>骨粗しょう症の治療に役立つことが
>期待されます。
 
 期待しましょう。

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