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2015年4月14日 (火)

世界をリードする再生医療・新制度のインパクト

2015/4/10 日経メディカル
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 再生医療で用いる細胞などの「製品」を
化学合成で量産する医薬品と同じような
薬事規制下に置けば、気の遠くなるような
長期の審査期間を必要とし、日本の大学や
研究所の成果はなかなか実用化されず、
患者さんに医療として提供することが
不可能に近くなる。
 
 そうした状況はこれまでも幾度となく
発生してきた。
 
 例えば、少し前に遺伝子治療がブームに
なったときは多額の公的研究費が投入
されたが、実用化に結び付かず、結局は
萎んでいった。
 
 なお、この間、欧州では戦略的に産学官
連携を進めていた。
 
 欧州では薬事承認を受けた遺伝子治療
製品がいよいよ登場し、日本は高額な費用
で輸入することになるだろう。
 
 こうした事態を避けて再生医療を
スピーディかつ安全に実用化するため、
旧薬事法を大幅に改正した
「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び
安全性の確保等に関する法律」
(医薬品医療機器等法)と、
「再生医療等の安全性の確保等に関する
法律」(再生医療等安全性確保法)が
セットで2013年11月に公布され、
2014年11月に施行された。
 
- 条件付け早期承認する新制度を創設 -
 
 医薬品医療機器等法は、医薬品や
医療機器とは異なる「再生医療等製品」
という新しい法的なカテゴリーを世界に
先駆けて創設した。
 
 再生医療等製品は、細胞に培養などの
加工を施したもの。
 
 身体の再建や治療を目的として使用
したり、遺伝子治療を目的として細胞に
導入して使用する。
 
 そして再生医療等製品に特化した特別な
薬事承認制度を設けた(図1)。
 
 少人数への治験で安全性が確認され、
有効性が「推定」されれば、条件・期限
付きで承認する。
 
 患者数が少ない難病でも、開発がうまく
進めば数年程度で患者さんに届く仕組み
であり、世界的に注目されている。
 
 その代わり、条件・期限付き承認後は
7年間レジストリー登録を行い、市販後の
有効性や安全性を検証し、有効性や安全性
が証明できなければ承認取り消しとなる。
 
- 自由診療下の“怪しい”再生医療を
規制へ -
 
 再生医療等安全性確保法は、再生医療を
リスクの高さから3段階に分けて提供に
要する手続きを定めた。
 
 リスクが最も高い第一種再生医療等
(例:iPS細胞やES細胞を用いる)、
リスクは高いが第一種より低い
第二種再生医療等
(例:体性幹細胞を用いる)、
比較的リスクが低い第三種再生医療等
(例:体細胞を加工)――の3段階だ。
 
 第三種再生医療等には、活性化リンパ球
を用いたがん免疫療法も含まれる。
 
 いずれの場合も、提供計画を厚生労働
大臣に提出しなくてはならない。
 
 これには大きな意義があり、医師が
主体的に関わる再生医療が初めて法的に
規制されることとなった。
 
 以前は、“iPS細胞もどき”による
怪しい再生医療を医師が実施しても法で
規制できず、再生医療に対する国民の
不信感を巻き起こし、再生医療に大きく
ブレーキが掛かる危険性があったからだ。
 
- 億単位にも上る治療費用はどう賄う? -
 
 ところで迅速な承認を受けた再生医療等
製品は公的保険給付の対象となるが、
治療費用は数千万円から億単位に上ると
予想されている。
 
 それを賄う財源はどこにあるの
だろうか。
 
 後発医薬品の使用促進、急性期病床の
整理など医療費の抑制策をさらに進め、
医療技術評価
(HTA;Health Technology Assessment)
の導入も本格的に議論しなくてはならない
だろう。
 
 日本はHTAに関しては後進国と言っても
過言ではない。
 
 日頃から感じているのだが、降圧薬の
配合剤にいつまで高額な薬価をつけるの
だろうか。
 
 絞るところは絞り、予算を掛けるべき
ところは掛けていく姿勢が、国民皆保険
制度の維持とイノベーションの促進を
両立させ得る。
 
 再生医療の実用化は、保険給付制度の
リフォームもセットで考えなくては
ならないだろう。
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 良い取り組みのようです。
 
 ドラッグラグ、デバイスラグの例を
見るまでもなく、日本は後進国です。
 
 これから上手く行くのかどうか?
 
 本気度を見守って行きたい。

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