膵臓がん、新たな治療のターゲットを発見、「タンパク質リン酸化酵素D1」
膵臓の細胞を再プログラミングして
がん化させる
2015年3月9日 Med エッジ
詳細は、リンクを参照して下さい。
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膵臓の細胞に再プログラミングを
起こし、がん化を誘導する原因となる
重要な酵素が新たに1つ特定された。
「タンパク質リン酸化酵素D1」と
呼ばれるこの酵素は、新たな膵臓がん治療
のターゲットとなりそうだ。
米国のメイヨー・クリニック総合
がんセンターを中心とした研究グループ
が、オンライン科学誌のネイチャー・
コミュニケーションズ誌で
2015年2月20日に報告した。
今回研究グループは、シャーレの中で
培養したネズミの膵臓細胞を使って、
その仕組みの詳細な解析を試みた。
さまざまな遺伝子が関係すると想定。
操作した結果を観察または解析し、
Krasの異常がどのような仕組みで
膵臓がんにつながるのかを調べた。
結果として、Krasにより「タンパク質
リン酸化酵素D1(PKD1)」という酵素が
活性化され、腺房-導管異形成や膵臓
上皮内腫瘍性病変を引き起こしていると
新たに発見した。
シャーレの中で、膵臓細胞のPKD1を
活性化すると、およそ1週間で
再プログラミングが起こり、腺房細胞は
腺管に形を変えた。
またPKD1の働きを邪魔すると、
腺房-導管異形成と膵臓上皮内腫瘍性病変
も少なくなった。
さらに解析を進めたところ、別の仕組み
も見つかった。
「TGFα」というタンパク質が細胞の
外からEGF-Rにくっつきやすい場合も、
Krasのアクセルが踏まれると確認できた。
また、PKD1は、「ノッチ(Notch)
シグナル」という仕組みのスイッチを
オンにし、細胞に「再プログラミングを
起こせ」という信号を送っていた。
まとめると、「TGFα」→「EGF-R」
→「Kras」→「PKD1」
→「ノッチシグナル」→「腺房-導管
異形成」→「膵臓上皮内腫瘍性病変」
→「がん化」という流れが分かり、
今回それに関わる重要なメンバーとして、
新たに「PKD1」が突き止められたという
わけだ。
今回、膵臓がんの発生の仕組みに
関わっているとして新たに見つかった
「PKD1」は、今後、新しいがん治療薬開発
のターゲットになり得るだろうと
研究グループは見ている。
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膵臓の細胞を再プログラミングね~
いろいろあるんですね。
自覚症状が出にくい為、早期発見され
にくく、手術でも根治が難しいとされて
いる膵臓がん。
>「PKD1」は、今後、新しいがん治療薬
>開発のターゲットになり得るだろう
と言っています。
すい臓がんの治療成績向上に繋がるのか
どうか、今後に期待したい。
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