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2015年4月30日 (木)

今度はミトコンドリアを消滅させる技術、クリスパー(CRISPR/CAS9)によるヒト胚操作をめぐる問題を眺めて

成熟していないわが国の科学者社会
西川伸一 THE CLUB
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 紹介した通り、クリスパー
(CRISPR/CAS9)によるヒト胚操作の論文
がプロテイン・アンド・セル誌に紹介
され、わが国のマスメディアも科学者
による第二のアシロマも含めようやく
この問題を取り上げている
(完璧な人を作る技術
「クリスパー・キャス」?中国研究の
リークで国際問題へを参照)。
 
 いつものことだがメディアの記事には
論文をしっかり読んだ形跡はない。
 
 私も読んだが、ヒト胚ゲノム編集に名を
刻もうとする気持ちが見え見えの論文で、
研究としてコメントする気にならない。
 
 しかし米国で行われたように、科学者
からもっと活発に発信することが大事
だが、成熟していないわが国の科学者社会
では、政府が呼びかけないと動けない
ようだ。
 
 この分野ではどんどん新しい話が浮き
上がってくる。
 
 何度も繰り返すが、新しい遺伝子編集
技術はアイデアがアイデアを産む革命的
技術だ。
 
 あらゆる分野へ拡大すること
間違いない。
 
 今回紹介するソーク研究所からの論文は
細胞内の特定のミトコンドリアを消滅
させる技術の論文だ。
 
 4月23日号の有力科学誌セル誌に掲載
されていた。
 
 タイトルは「遺伝子編集技術を用いて
突然変異のあるミトコンドリアを選択的に
除去する(Selective Elimination of
Mitochondrial Mutations in the
Germline by Genome Editing.)」だ。
 
 昨年紹介した通り、ミトコンドリア病の
原因は正常と異常なミトコンドリアが混在
する「ヘテロプラスミー」と呼ばれる状態
から引き起こされる
(ミトコンドリアゲノム「凄まじい淘汰」、
高齢出産でミトコンドリア病2~3倍を
参照)。
 
 いくつかの病気ではこの異常の原因
となるミトコンドリア遺伝子の突然変異が
同定されている。
 
 ミトコンドリアは細胞とは独立に増殖
できる自律性を持っているため、
異常ミトコンドリアを除去すると、
正常ミトコンドリアが増えて、細胞が
正常化すると期待できる。
 
 正直この論文を読むまで私も全く
知らなかったのだが、悪い
ミトコンドリアを除去する試みはずっと
行われていたようだ。
 
 細胞内でミトコンドリアだけに入る酵素
を使ってミトコンドリア遺伝子を切断する
というものだ。
 
 「制限酵素」と呼ばれる酵素を使うが、
悪いミトコンドリアだけを選ぶ必要があり
利用は限られていた。
 
 今回、特定の遺伝子配列を認識して
切断する「TALEN+ZFN切断酵素」の
組み合わせで解決した。
 
 卵子内に存在する悪いミトコンドリアを
狙って消滅させることが可能で、次世代へ
伝達するのを阻止できると示している。
 
 この方法がミトコンドリアだけを狙う
もので、人間の本体のゲノムに傷が付いて
いないと「CGH(比較ゲノムハイブリダイ
ゼーション)」と呼ばれる方法で
確かめている。
 
 これだけで応用可能とは結論はできない
だろう。
 
 編集した遺伝子は除去されるため、
人為的な編集結果はミトコンドリアに
残らない。
 
 そうはいっても、ヒト胚の遺伝子操作
であるのは間違いない。
 
 異常ミトコンドリアを持つ人の細胞を
マウスの卵子と融合させると、
突然変異ミトコンドリアを除去できては
いたが、その応用はどう見るか。
 
 科学者がイニシアチブをとって市民や
メディアを巻き込む議論が必要だろう。
 
 ただ、わが国にそれが可能な科学者と
社会の成熟した関係は望むべくも
なさそうだ。
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>ヒト胚の遺伝子操作であるのは間違い
>ない。
 
 このような研究については、
 
>米国で行われたように、科学者から
>もっと活発に発信することが大事だが、
>成熟していないわが国の科学者社会
>では、政府が呼びかけないと
>動けないようだ。
 
 どうしてなんでしょう?
 
 論文をしっかり読んで自ら判断し、
その価値も含めて議論出来る科学者が
いないと言うことなのでしょうか?
 
 個々の学会にとらわれて、オープンな
議論が出来ないと言うことなので
しょうか?
 
 単純に言って、批判ばかりする閉鎖社会
だからでしょうか?
 
 残念ですね。
 
 こんなことで、世界をリード出来る
科学者が育つのでしょうか?

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