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2015年3月14日 (土)

ncRNA の発現がiPS細胞とES細胞の違いを決める

-多能性維持に関わるとされるncRNAが
iPSでは十分に発現せず-
2015年3月11日 理化学研究所
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 理化学研究所(理研)ライフサイエンス
技術基盤研究センター トランスクリプ
トーム研究チームのピエロ・カルニンチ
チームリーダー(副センター長)、
アレクサンダー・フォート客員研究員と、
理研統合生命医科学研究センター免疫器官
形成研究グループの古関明彦グループ
ディレクターらの研究グループは、
ES細胞(胚性幹細胞)とiPS細胞
(人工多能性幹細胞)で発現する全ての
RNAを比較解析し、ES細胞で発現している
ノンコーディングRNA(ncRNA)[1]の
多くが、iPS細胞では十分に発現して
いないことを発見しました。
 
 iPS細胞の作製法が2006年に報告されて
以来、分化した体細胞を効率良く
リプログラミング(初期化)し、ES細胞と
同等の性質を持つ高品質のiPS細胞を安定
して得るための試みが続けられています。
 
 体細胞に由来するiPS細胞と受精卵に
由来するES細胞は、幹細胞としての性質の
多くが共通しています。
 
 しかし遺伝子発現の解析からは、両者で
発現する遺伝子には違いがあり、iPS細胞は
ES細胞と同一の状態ではないことが指摘
されています。
 
 ただし、これまでの解析は主に
タンパク質の設計図となるメッセンジャー
RNA (mRNA)について行われており、
設計図として用いられないncRNAの詳細な
比較は行われていませんでした。
 
 研究グループは、マウス由来のES細胞と
iPS細胞を用い、ncRNAを含めた全転写産物
(全RNA)の網羅的な発現比較を行い
ました。
 
 その結果、ES細胞の核内で発現する
ncRNAの多くが、iPS細胞では十分に発現
していないことが分かりました。
 
 これらのncRNAの中には、多能性の維持
に関わる遺伝子の発現を促進する
遺伝子制御部位(エンハンサー[2])や、
多能性に関わるレトロトランスポゾン[3]
由来のRNA配列が含まれていました。
 
 これは、既存のiPS細胞作製法では、
ES細胞で機能している多くの遺伝子制御
部位の活性化が十分に起きていないことを
示しています。
 
 ncRNAを含む全てのRNAを対象とする
トランスクリプトーム[4]解析はiPS細胞の
状態を正確に捉えるために重要であり、
今後、臨床応用に用いるiPS細胞の評価法
としても役立つと期待できます。
 
 本研究は、日本学術振興会「最先端・
次世代研究開発支援プログラム」などの
支援を受けて行われ、成果は米国の
科学雑誌『Cell Cycle』オンライン版
(2月12日付け:日本時間2月13日)に
掲載されました。
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 重要な研究ですね。
 
 ncRNAが重要な働きをするということが
かなり研究されてきています。
 
 その意味で、ES細胞とiPS細胞はやはり
かなり違うということのようです。
 
>ncRNAを含む全てのRNAを対象とする
>トランスクリプトーム[4]解析は
>iPS細胞の状態を正確に捉えるために
>重要であり、今後、臨床応用に用いる
>iPS細胞の評価法としても役立つと
>期待できます。
 
 そうですね。
 
 おおいに期待したい。

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