これからの難病研究 ~新しい治療法の開発~
2015/1/25
平成26年度 厚生労働科学研究推進事業
研究発表会
詳細は、リンクを参照して下さい。
本発表は
【開催日時】2015年1月25日(日)
【講 演】13:00~17:30
【対 象】患者さんおよびご家族、
難病に関わる研究機関、
行政機関、その他一般の方
【会 場】JA共済ビル「カンファレンスホ
ール」
東京都千代田区平河町2-7-9
にて行われたものです。
難病患者及び関わる人にとって興味深い
内容だと思われますので、紹介して
おきます。
講演が行われた演題は
---------------------------------------
講演1.iPS細胞を用いた心筋再生医療の
開発
講演2.産学官の連携による難治性疾患
治療薬開発における課題点について
講演3.アカデミアにおける難病に対する
医薬品・医療機器開発の現状と展望
講演4.難治性神経疾患における病態機序
解明と治療法開発への展望
講演5.培養腸上皮幹細胞を用いた難治性
炎症性腸疾患治療法の開発
講演6.難病治療における患者連携・支援
---------------------------------------
の6項目です。
私が特に興味を抱いたものは、
講演4.難治性神経疾患における病態機序
解明と治療法開発への展望
です。
ポイントのみ紹介しておきます。
・研究は着実に進み神経難病は「治せない
疾患」から「治しうる疾患」へと、その
イメージを変えつつある。
そして治療法の開発も着実に進展して
いる。
・一部の神経変性疾患では分子標的候補が
同定され、実際に治験を含む臨床研究が
始まっている。
例えば、球脊髄性筋萎縮症は
運動ニューロン疾患の一つで、経過は
緩徐であるものの最終的には呼吸筋麻痺
にて死に至る難病であるが、原因が
アンドロジェン受容体遺伝子の
CAGリピートの異常伸張であることが
判明し、そのトランスジェニック・
マウスの研究から、同遺伝子の核内移行
を阻害することにより、マウスモデル
では疾患の発症を完全に阻止できること
が判明した。
幸いなことに、前立腺癌のホルモン療法
のために開発された薬剤がそのまま利用
できる事が分かり、ヒトでの治験も
行われて一定の治療効果が確認された。
・ヒトの患者に用いる場合、病的プロセス
を完全に抑制するとしても、治療開始
までに“変性”脱落してしまった
神経細胞を蘇らせることは困難であり、
より早期ないし発症前の診断と治療
あるいは介入開始の必要性が明らかと
なってきている。
・病態抑止効率の向上のためには複数の系
での治療を組み合わせるべきとの考察も
進んできている。
とのことです。
詳細はリンクを見てください。
神経変性疾患の治療への道は着実に
進んでいるようです。
先生方の努力に感謝し、希望を持って
我々も、前へ進みましょう。
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