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2014年12月16日 (火)

「胃瘻はよくない」がおかしなことになっている

2014/12/5 日経メディカル
 
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「胃瘻はよくない」の経緯
 
 私の理解では、「胃瘻はよくない」
というメッセージは、自分の力で食べ物を
食べることが出来なくなった患者さん
に対して、「食べられないのなら胃瘻を
作って栄養を提供するしかない」と
短絡的に考えてしまうことがよくない、
というものであったはずです。
 
 
「胃瘻はよくない」がもたらした残念な変化
 
 一方で、「胃瘻はよくない」という
メッセージが独り歩きして、なんだか
よろしくないことになっている変化も
あると思っています。
 
 第一には、医療者側が「そもそも人工的
な栄養療法は延命治療に当たるので
よくない」という固定した考えを持って
しまい、そこに人工栄養療法という技術
があり、その技術の提供によって患者さん
の利益となる可能性が少なくないにも
かかわらず、「人工栄養は延命治療である」
という単純化された理屈から、
人工栄養療法を受ける機会を奪われて
しまっている患者さんが増えてきている
ような気がします。
 
 「〇〇は延命治療に当たるのでよくない」
という理屈は、実に勝手な理屈に私には
思えます。
 
 第二点目の懸念事項は、人工栄養が
適用される患者さんに対して「胃瘻は
よくないので経鼻経腸栄養を選択する」
というケースが増えていることです。
 
 このロジックはあまりにも当初の
メッセージから外れています。
 
 少なくとも、患者さんが被る持続的な
苦痛や日常生活動作の制限、さらには
人としての尊厳の保持の観点からいえば、
長期的な人工栄養を選択する上で、
経鼻経腸栄養は胃瘻栄養に比べて患者さん
に与える害が多過ぎると私は思っています。
 
 以前私は、高齢者に対する人工栄養療法
(中心静脈栄養、経鼻経腸栄養療法、
胃瘻経腸栄養療法)の長期生存を比較する
臨床研究を行ったことがあります。
 
 
 このエビデンスのメッセージは、
「胃瘻栄養は確かに他の栄養経路よりも
長期生存に寄与しそうだが、その差は劇的
なものではなく、正直どの人工栄養経路を
用いたとしても、永続的な人工栄養に
なった場合の余命は数年程度と見積もった
上で倫理的な意思決定を進めていく必要が
ある」というものです。
 
「胃瘻はよくない」から「じゃあ経鼻で」
って変でしょ
 
 経鼻経腸栄養に比較した際の胃瘻栄養の
優位性は、長期生存期間などの
医学的アウトカムよりも、患者さん自身に
与える害や苦痛の差にあります。
 
 まず、1日中鼻から喉にかけて管を
突っ込まれている苦痛。
 
 第二に、その苦痛がつらいために管を
当然抜こうとするのですが、病院側
としては管を抜かれては困るので
ミトンを手にはめたり手を拘束したり
することがしばしばあります。
 
 それは苦痛とともに尊厳を略奪する行為
でもあります。
 
 長期的な人工栄養が開始された後、
ご自身の口で「もうこんなつらい状況は
がまんできない」と発することが出来る
患者さんは多くいません。
 
 栄養経路の選択は患者さんのご家族と
行うことがむしろ多くなります。
 
 その時に、医療者は漠然とした説明を
した上で、「自然な形に近いほうがよい
と御家族が望まれたので経鼻栄養にした」
と短絡的に決定してしまうことに私は反対
します。
 
 胃瘻と比較した場合に想定される
経鼻経腸栄養の患者さんへの不利益
(特に、患者さんに与える苦痛や苦悩)
について医療者はしっかりと説明する義務
があると思います。
 
「自然な形」ってなんだ?
 
 最後に、「自然が一番」という言葉も
しばしば思考停止をいざなう危険ワード
だと私は思っています。
 
 自然が一番ならそもそも医療は存在
しない方がよいです。
 
 ずっと苦しい思いをして痰を吸引されて
いた高齢患者さんが吸痰用に
ミニトラックチューブが挿入され、
その苦痛が大きく緩和されることは
しばしばあります。
 
 その「不自然」な行為が、患者の何に
対して害になっているのか、何に対して
利益になっているのかについて、医療は
一つ一つ考え、患者さんやご家族
とともに対話を継続することが大切
なのだと思います。
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 至極正当な意見だと思います。
 
 医療者の方々には、患者の立場に立った
医療の実践をお願いします。
 
 患者の尊厳を守って欲しいと切に願い
ます。
 
 とかく患者は弱者の立場に立たされます。
 
 医師には、誠実さと思いやりと謙虚さが
必要です。
 
 よろしくお願いします。

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