高速発射気泡による「針なし注射器」の開発に成功 ~ マイクロレベルの気泡で高精度の試薬輸送を実現 ~
2014.12.2 SankeiBiz
詳細は、リンクを参照して下さい。
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芝浦工業大学 機械工学科の山西陽子
准教授は、針を使わずに気泡の圧力で
試薬や遺伝子までも体内に届けることの
できる「針なし注射器」の開発に成功
しました。
市販の針なし注射器はバネの力で液体を
高圧で発射し、皮膚を貫いて筋肉に薬剤を
投与するものなどが開発されてきましたが、
これは神経を傷つける恐れや、多少の痛み
を感じるなどの問題がありました。
■気泡による細胞加工技術
「マイクロバブルインジェクションメス」
(2012年)
細胞手術を行うなどのマイクロデバイス
の操作には医師の高度な熟練技術が必要で、
決して扱いやすいものとは言えません。
また、最も一般的な電子医療機器の
ひとつである「電気メス」は、高周波の
強力な電気を当てて細胞壁を切開する
ために細胞に熱ダメージを与えてしまう
欠点がありました。
そこで2012年、山西准教授は
マイクロレベルの微細な孔を空けると同時
に、試薬輸送のできる
「マイクロバブルインジェクションメス」
を独立行政法人科学技術振興機構(JST)
戦略的創造研究推進事業(さきがけ)の一環
として開発しました。
これにより、液体中で電圧をスイッチ
として微細気泡を連続して打ち出す圧力で、
マイクロレベルの空間でも試薬をまとった
気泡を、医師の高い技術がなくとも安全に
目的の場所へ、高精度で輸送することを
可能としました。
■空気中でも使用可能な、新たな
「針なし注射器」を開発
(2014年現在)
今回、これまで液中でしか使用すること
のできなかった従来のメスを、試薬が外へ
漏れたり薄まったりすることなく、
高い精度で十分な液量を輸送できるような
構造に改良。
メスを覆うガラス製のシェルの位置を
前方に突き出すことで、細胞とメスの
気泡導入部の密着性を向上させ、高精度の
位置制御を行うことで、空気中でも
使用可能な「針なし注射器」の開発に成功
しました。
山西准教授の「針なし注射」は、
微細気泡の高速発射で指向性があるために、
局部に精度の高い治療を可能とします。
穿孔径は4μmとマイクロレベルで孔を
空けることができるために、細胞への
ダメージも少なくて済みます。
この注射器は、植物細胞を含む、
あらゆる固さの細胞への遺伝子導入・
治療など幅広い用途に使用できるため、
今後はデバイス構造の最適化、試薬の
導入量、痛み、穿孔深度の評価を行い、
企業と連携するなどして実用化を目指して
いきます。
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良さそうです。
新タイプの注射器ですね。
実用化はまだのようです。
期待したい。
ただ価格は高そうなので使う分野は
限られそう。
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