米大学がレンズ不要の顕微鏡を開発、がん細胞の検出に成功
2014年12月25日 EE Times Japan
詳細は、リンクを参照して下さい。
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米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校
(UCLA:University of California Los
Angeles)の研究者は2014年12月17日、大型
で高価な光学顕微鏡と同等レベルの精度で、
がん細胞や、その他の異常を細胞レベルで
検出できる、“レンズを使わない顕微鏡
(レンズフリー顕微鏡)”を開発したと
発表した。
血液や組織などの一般的な検査を実施
するための、持ち運びしやすい顕微鏡を
製造できる可能性がある。
レンズフリー顕微鏡は、サンプルを置く
スライドガラス、CMOSイメージセンサー
アレイを搭載したマイクロチップ、光源
(レーザーかLED)で構成される、非常に
シンプルなものだ。
スライドガラスは、マイクロチップに
直接触れることがないようサンプルホルダー
に置かれる。
レーザーかLEDの光を上からサンプルに
当てると、イメージセンサーは、
そのサンプルの映像のパターンなどを捕捉
して記録する。
さらに、センサーの情報を使って3次元
画像を映し出す。
画像を再構成するアルゴリズムによって、
画像のコントラストがより強くなり、異常
を検知することが容易になるという。
同顕微鏡の開発は、UCLA Henry Samueli
School of Engineering and Applied
ScienceのAydogan Ozcan教授が中心と
なって進めた。
Ozcan氏のチームは、子宮頸がん検査向け
のパップスメア(細胞診検体)、
乳がん細胞を含む組織標本、血液サンプル
を使用して、レンズフリー顕微鏡を評価
した。その結果、がん細胞検出の精度は
99%だったという。
レンズフリー顕微鏡のもう1つの利点は、
視野を拡大できるので、従来の
光学顕微鏡よりも迅速に検体を処理する
ことが可能になる点だ。
Ozcan氏は、「モバイル機器、特に
スマートフォンを利用したヘルスケアは
急速に拡大しているが、病理検査が行える
場所は、臨床検査装置がそろっている
ところに限られている」と述べている。
レンズフリー顕微鏡によってそうした
障壁が下がり、特に遠隔地での検査など
が容易になると期待しているという。
Ozcan氏のチームは最近、スマートフォン
に取り付けるだけで、アレルギーを持つ
人向けの食品検査や、水質検査
(重金属やバクテリアの検出)が行える
小型の機器と専用アプリを開発している。
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>Ozcan氏は、病理検査が行える場所は、
>臨床検査装置がそろっているところに
>限られている」と述べている。
>レンズフリー顕微鏡によってそうした
>障壁が下がり、特に遠隔地での検査など
>が容易になると期待しているという。
アイデアが素晴らしい。
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