人手不足の救世主か 点検ロボ、老朽インフラに殺到
2014/11/5 日本経済新聞
詳細は、リンクを参照して下さい。
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人が近付けない、あるいは近付いて詳細
に調査するにはコストが掛かる箇所を、
どのように点検するか──。
物理的な限界とコストの限界を打ち破る
ために、国が旗を振って維持管理に関する
技術開発に乗り出した。
その主要テーマの一つが、点検ロボット
だ。連載「インフラ市場異種争奪戦」の
第3回では、老朽化した社会インフラの
点検を担う最新ロボットを追った。
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カメラやレーザー距離計を片手に主桁や
床版を熱心に視察するこの集団は、
国土交通省が公募していた「次世代社会
インフラ用ロボット」の、現場検証に参加
する開発者たちだ。
同省は2014年4月から、維持管理と
災害対応の部門で、3年以内に実用化を
見込めることなどを要件にロボット技術を
募集。
維持管理部門では、橋梁、トンネル、
河川やダムを対象に近接目視・打音検査
の代替や支援が可能な技術を求めた。
2014年7月初旬には、現場で実際に点検
してみて性能を検証する技術を選定。
橋梁が最も多い25者、トンネルは10者、
河川やダムは14者だ。
応募数は同省の想定以上に多かった。
建設関連企業だけでなく、
ロボット関連のベンチャー企業や大学など
の研究機関も目立つ。
同省は10~12月の3カ月間を掛けて、
供用中の橋梁など全国10カ所の会場で性能
を検証する。
評価結果は2015年1月以降に公表。
改善を進めて実戦への投入を目指す。
■「現場で役立つロボットを選ぶ」
ロボット開発を担う国交省総合政策局
公共事業企画調整課施工安全企画室の
岩見吉輝室長は、次のように真意を説明
した。
「コンテストとは全く違う。
点検要領を満たし、現場で使えるもの
を選ぶ。
『合格』したロボットは、いろんな場面
で使っていく」(岩見室長)。
あくまで現場で役立つロボットを選び、
選んだからには国が普及を後押しする点
で、競技会のようなイベントとは一線を
画するというわけだ。
■国が潤沢な開発費を提供
国交省はロボット開発を進めるに
当たって、経済産業省との連携を図って
いる。
土木側のニーズと検証用の現場を国交省
が、開発者が持つシーズと開発費を経産省
が提供する。
経産省が所管する新エネルギー・産業
技術総合開発機構(NEDO)は2014年7月、
7億5000万円を充てるインフラの維持管理
向けロボット開発の委託先に11者を選んだ。
国交省の現場検証への参加を、採択の
条件とした。
このほかにも、社会インフラ向けの
ロボット開発には大きな予算が付いている。
2014~2018年度に実施する内閣府の
「戦略的イノベーション創造プログラム
(SIP)」では、2014年度だけで約9億円を
投じる予定だ。
従来の点検方法とコスト面で競争力を
持ち、性能と現場での使い勝手を両立した
技術だけが、普及への切符を手に入れ
られる。国交省の現場検証は、その試金石
となる。
■米国は一歩先に具現化
インフラの点検ロボットの開発に取り組む
のは、日本だけではない。
国内に橋長6m以上の道路橋を60万橋も
抱える米国では、連邦道路庁の委託を
受けたラトガース大学
(ニュージャージー州)が、
「RABIT(ラビット」と呼ぶ床版の検査用
ロボットを2012年に開発。
今後5年間で1000橋に適用する目標を
掲げて改良と量産に取り組んでいる。
同庁が進めるLTBP(長期橋梁性能
プログラム)の一環だ。
■非破壊検査技術の普及ツール
ラビットは、非破壊検査技術の普及を
促す「ショーケース」としての意味合いを
持つ。
政府公認のロボットに組み込んでお墨付き
を与え、強制的に1000橋に適用すれば、
一気に「米国標準」になる可能性がある。
■人手の点検では間に合わない
米国では、ラビットに搭載したような
非破壊検査技術を活用せざるを得ない事情
がある。
2012年7月に成立した新たな陸上交通法
「MAP-21」のなかで、幹線道路である
全国ハイウェイシステムの橋梁について、
ひび割れや浮きの箇所などの詳細なデータ
を集める「部材レベル点検」を2014年10月
から義務付けたのだ。
政府が大胆な施策を打ち、民間が開発
した新技術の普及を急速に促そうとする
米国。
日本よりも先にインフラの老朽化と
向き合ってきた同国の取り組みは示唆に
富む。
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米国は良いお手本になりそうですね。
日本もインフラの老朽化に直面しており
実際に事故も起きている。
早急にロボットを活用して効率的な
インフラの再構築をお願いします。
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