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2014年11月 1日 (土)

レアアース・レアメタルのリサイクルに革新的技術で大きく貢献 -廃材内レアアースを低コスト・高効率に高純度で回収-

平成26年10月30日
独立行政法人日本原子力研究開発機構
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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【発表のポイント】
 
・光学ガラス廃材などから純度99.999%
 (ファイブナイン)でレアアースを回収
 
・従来法の5分の1以下の低コストで
 レアアースを分離・精製
 
・従来法の10倍以上の処理速度により、
 装置サイズのコンパクト化を達成
 
・放射性廃液浄化技術
 “エマルションフロー法”を応用
 
・福島県いわき市に建設された新しい
 研究開発拠点に実証プラントが完成
 
 
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 独立行政法人日本原子力研究開発機構
(以下、「原子力機構」という。)と
株式会社アサカ理研(以下、「アサカ理研」
という。)は、同機構が開発を進めている
“エマルションフロー法”を用いて、
光学ガラス廃材や低品位レアアース原料
から酸処理などによって溶出させた
レアアースを、低コストで高効率に、
純度99.999%(ファイブナイン)まで
分離・精製することに成功しました。
 
 原子力機構では、放射性廃液の浄化など
に用いるために開発した
エマルションフロー法を、原子力以外の
産業分野にも活用するとともに、
実用・商業化の過程で得られた知見・経験
を還元することで、原子力分野における
化学分離技術の高度化を図っています。
 
 エマルションフロー法による廃材内
レアアースの分離・精製技術の開発は、
同機構が特許技術をアサカ理研に開示して
行った共同研究の成果です。
 
 価格変動の激しい
レアアース・レアメタルのリサイクルは、
従来の方法では商業ベースにのせることが
きわめて困難でしたが、低コストと高効率
が両立したエマルションフロー法の登場は、
その実現を大きく前進させました。
 
 “エマルションフロー法”は、溶媒抽出
と呼ばれる方法の一種です。
 
 溶媒抽出では、水と油(溶媒)を混合
して水に溶存する成分の油への抽出を促し、
その後、排水のために水と油を分離します。
 
 工業的には、撹拌によって水と油を混合
した後、水と油が重力分離するのを待って
排水するミキサーセトラー法が一般的に
用いられます。
 
 一方、エマルションフロー法では、撹拌
などを行わず、ポンプ送液のみで水と油を
乳濁状態(エマルション)にまで混合し、
抽出容器内の流れの変化を利用して
重力分離を待たずに水と油を迅速分離
します。
 
 この方法では、廃材内レアアース処理
コストをミキサーセトラー法の5分の1以下
にできる上に、10倍以上の処理速度を実現
でき、多数の装置を連結して用いる
レアアース精製を10分の1以下に
コンパクト化させました。
 
 また、排水に油分を混入させないこと
から環境にやさしい方法です。
 
 アサカ理研では、新たな研究開発拠点を
福島県いわき市に建設し、経済産業省
および福島県の大型補助金を活用しながら、
レアアースを高純度回収する
エマルションフロー法の実証プラント試験
を進めています。
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>価格変動の激しい
>レアアース・レアメタルのリサイクルは、
>従来の方法では商業ベースにのせること
>がきわめて困難でしたが、低コストと
>高効率が両立したエマルションフロー法
>の登場は、その実現を大きく前進
>させました。
 
 前進です。良いと思います。
 
 実証プラント試験の結果に期待します。

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