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2014年10月31日 (金)

格子光シート顕微鏡が明かす細胞分裂の仕組み -生命活動の真の姿を照らし出す新たな蛍光顕微鏡-

2014年10月29日
独立行政法人理化学研究所
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 光学顕微鏡の分解能の限界は、1873年に
ドイツのエルンスト・アッベによって
求められて以来、100年以上にわたって、
超えることは不可能だと考えられて
きました。
 
 しかし、発想の転換によってこの壁を
打ち破る「超解像蛍光顕微鏡」が開発
され、その功績に対して3人のパイオニア
に2014年度のノーベル化学賞が授与
されました。
 
 ただし、従来の超解像蛍光顕微鏡は
分子の位置を正確に求めることが
できましたが、撮影に時間がかかるため、
生きて活動している生物を撮影すること
は困難でした。
 
 受賞者の一人、エリック・ベツィグ博士
(米国ハワード・ヒューズ医学研究所)は、
高い解像度と高速性を兼ね備えた
蛍光顕微鏡の開発を続け、今回新たに開発
した「格子光シート顕微鏡」について
10月24日付で米国の科学雑誌『Science』
に発表しました。
 
 この論文のなかで、理化学研究所の
清末優子ユニットリーダー
(発生・再生科学総合研究センター
光学イメージング解析ユニット)が
提供した細胞試料を用い、細胞分裂
における染色体分配の様子を詳細に解析
した結果が紹介されています。
 
 ベツィグ博士らは、独自の手法で、試料
を高速にくまなく走査することができる、
格子状に配列した微小な励起点からなる
厚さ300ナノメートル(1nmは1億分の1m)
以下の非常に薄いシート状の光
(格子光シート)を作り出しました
(図1)。
 
 この超薄格子光シートを用いて、1秒間に
200枚もの精密な断面像を撮影し、
立体再構築することで、かつてない高精度
な三次元画映像の再現に成功しました。
 
 さらに、この方法では生体に与える
ストレスが従来の方法に比べて非常に
少ないため、生物の活動への影響を最小限
に留めつつ、長時間にわたってありのまま
の活動を撮影し続けることができます。
 
 ベツィグ博士らは、この顕微鏡を用いて、
培養細胞やマウス初期胚の内部の分子や、
免疫の司令塔であるT細胞の動き、線虫、
ショウジョウバエのようなモデル生物の
胚が発生していく過程まで、さまざまな
スケールでの撮影に成功しました。
 
 一方、本論文の共著者である
清末ユニットリーダーは、細胞分裂の
仕組みを解明するために、従来の
蛍光顕微鏡を用い、染色体と、染色体を
分配する細胞内構造(分裂装置)の動き
を、蛍光タンパク質で可視化した培養細胞
やマウス初期胚を使って観察しようと
試みてきました。
 
 分裂装置が正確に作動しないと遺伝情報
が正しく分配されず、ヒトの発生において
はダウン症などの染色体疾患を引き起こし
たり、大人の体内ではがん細胞を生み出し
たりします。
 
 しかし、分裂装置は数100本もの微小管
から形成されているため、従来の顕微鏡
ではその内部の様子を詳しく調べることが
できませんでした。
 
 この限界は、長年にわたって、細胞分裂
の仕組みの詳しい理解を阻んできました。
 
 ところが、ベツィグ博士らが、
清末ユニットリーダーが提供した蛍光導入
HeLa細胞を格子光シート顕微鏡で観察した
ところ、新たに伸びだす微小管や染色体
一本一本の動きを三次元的に捉えることが
できたのです(図2)。
 
 この精細な画像や動画は今回の論文で
取り上げられています。
 
 この顕微鏡を使えば、今後、分裂装置が
正しく動作して胎児の正常発生を維持する
仕組みや、逆に分裂装置の異常な動作が
がん細胞を生み出す仕組みなどが新たに
解明されていくと期待できます。
 
 また、将来、抗がん剤などの薬剤の
作用機序の解析や、そこから得られた知識
に基づく創薬や治療戦略の策定にも役立つ
と期待できます。
 
 今回ベツィグ博士らによって開発された
顕微鏡は、ライフサイエンス研究に新たな
可能性を与えることになります。
 
 この顕微鏡はまだ日本国内には
ありません。
 
 早期に国内に導入し、また製品化により
普及を進め、ライフサイエンスの発展に
役立てることが期待されます。
 
 
関連ウェブサイト
(Howard Hughes Medical Institute)
※格子光シート顕微鏡で撮影した動画を
ご覧いただけます。
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 素晴らしいです。
 進歩を感じます。
 
 是非、格子光シート顕微鏡で撮影した
動画をみてください。
 ここまで進歩しました。
 
>この顕微鏡を使えば、今後、分裂装置が
>正しく動作して胎児の正常発生を維持
>する仕組みや、逆に分裂装置の異常な
>動作ががん細胞を生み出す仕組みなどが
>新たに解明されていくと期待できます。
 
 期待したいですね。
 
 この顕微鏡はまだ日本国内にないよう
です。
 
 是非早期に国内に導入し、また製品化
により普及を進め、ライフサイエンスの
発展に役立てて貰いたいものです。

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