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2014年10月31日 (金)

白血球の分化を制御する仕組みの発見 自然免疫と獲得免疫のバランスに影響を与える遺伝子スイッチ

平成26年10月27日
東北大学
科学技術振興機構(JST)
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 東北大学 大学院医学系研究科 生物化学
分野の伊藤 亜里 研究員、五十嵐 和彦
教授らのグループは、大阪大学 免疫学
フロンティア研究センターの黒崎 知博
教授らとの共同研究により、白血球の分化
を制御する遺伝子のスイッチ(転写因子)
注1)を発見しました。
 
 従来、白血球のうち、病原体を食べて殺す
(貪食)といった自然免疫注2)を担う
骨髄球注3)や、病原体に対する抗体を
つくるといった獲得免疫注4)を担う
Bリンパ球が、元の同じ細胞
(造血系幹細胞注5))からどのように
作られるのか、不明な点が多く残って
いました。
 
 本研究では、複数の遺伝子スイッチが
協調することで前駆細胞注6)から
骨髄球への分化を抑え、その結果
Bリンパ球がつくられることを発見
しました。
 
 本研究によって、アレルギー性疾患注7)
などの病態の理解がさらに進むことが
期待されます。
 
 本研究の成果は平成26年10月26日
(米国東部時間)に英科学雑誌
「Nature Immunology」
の電子版に掲載されます。
 
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<研究内容>
 
 私たちの体では、侵入した病原体に対する
防御は白血球により主に行われています。
 
 白血球は、「自然免疫」を担う骨髄球と
「獲得免疫」を担うリンパ球に分類
できます。
 
 自然免疫は病原体であれば区別すること
なく攻撃するシステムで、獲得免疫は
病原体がもつ特定の分子を目印に攻撃する
システムです。
 
 感染の初期には自然免疫が、
自然免疫で対応できなくなると獲得免疫が
活性化されます(図1)。
 
 骨髄球には、好中球といった病原体を
食べて殺す(貪食)役目を持つものや、
好酸球や好塩基球といったアレルギー反応
に関係するものがあります。
 
 一方、リンパ球は、抗体を産生する
Bリンパ球や、他の免疫細胞を活性化する
シグナル(サイトカイン注8)など)を
産生するTリンパ球に分類できます。
 
 これらの細胞は、元は同じ細胞
(造血系幹細胞)から日々バランスを
取りながら作られ(分化し)、働いて
います。
 
 しかし、同じ造血系幹細胞から、機能が
全く異なる複数の免疫系細胞がどのような
仕組みで産み出されるのでしょうか。
 
 今回、五十嵐教授と伊藤研究員のグループ
は、Bach1やBach2といった複数の
転写因子が協調して働き、造血系幹細胞から
Bリンパ球への分化を制御していることを
突き止めました。
 
 リンパ球に分化する前の細胞
(リンパ球前駆細胞)の中ではBリンパ球の
分化に必要な遺伝子も骨髄球の分化に必要な
遺伝子も、どちらも発現しています。
 
 五十嵐教授らは、Bach1やBach2
の遺伝子の機能を欠損させたマウスの解析
から、Bリンパ球の分化の際に、
リンパ球前駆細胞でBach1やBach2
は骨髄球に分化するための遺伝子の発現を
抑え、これによりBリンパ球が産み出される
ことを証明しました(図2)。
 
 また、従来は、骨髄球とBリンパ球の
分化は、造血幹細胞が前駆細胞へなる時に
決定されると考えられてきましたが
(図2左)、今回の結果は、
リンパ球前駆細胞は骨髄球とBリンパ球の
両方に成り得る能力を持っており、
Bach1や Bach2は前駆細胞が
Bリンパ球に分化する側に傾ける
(図2右)ということを強く示して
います。
 
 これはBリンパ球への分化を
遺伝子発現のバランスから説明する
新しいモデルです。
 
 このような遺伝子発現の調節には、
近年注目を集めているエピゲノム注9)
の変化が関わる可能性が示唆されており、
今後さらに遺伝子抑制とエピゲノム制御
との関連を調べていくことで、細胞分化
の仕組みが明らかになっていくことが
期待されます。
 
 自然免疫と獲得免疫とのバランスは、
感染症に対する効果的な免疫に重要です。
 
 今回の発見は、このバランスが遺伝子
レベルで調節される仕組みの一端を
明らかにしたものです。
 
 免疫のバランスの乱れは、感染症の
重篤化やアレルギー性疾患などの発症に
つながることが想定されていることから、
今回の発見は免疫関連疾患のより詳細な
理解へとつながることが期待されます。
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 いつもながら免疫システムは複雑ですね。
 
>これはBリンパ球への分化を
>遺伝子発現のバランスから説明する
>新しいモデルです。
 
>このような遺伝子発現の調節には、
>近年注目を集めているエピゲノム注9)
>の変化が関わる可能性が示唆されており、
>今後さらに遺伝子抑制とエピゲノム制御
>との関連を調べていくことで、細胞分化
>の仕組みが明らかになっていくことが
>期待されます。
 
 少しずつですが、理解が進んでいます。
 
 エピゲノムがからんでいるようですね。
 今後に期待ですが、時間がかかりそう。

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