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2014年10月22日 (水)

レアアース量の少ない新規磁石化合物の合成に成功 最強の磁石化合物Nd2Fe14Bを超える磁気特性

平成26年10月20日
物質・材料研究機構
科学技術振興機構(JST)
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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1.独立行政法人 物質・材料研究機構
  元素戦略磁性材料研究拠点の宝野 和博
  フェローのグループは、ハイブリッド
  自動車の駆動モータとして使われている
  ネオジム磁石注1)よりも少ない
  レアアース注2)濃度で、同等以上の
  優れた磁気特性を持つ新規磁石化合物
  NdFe12Nxの合成に成功
  しました。
 
2.ハイブリッド自動車用モータには、
  ジスプロシウムを8%程度含む
  ネオジム磁石が使用され、その使用量
  が急増していますが、ジスプロシウム
  やネオジムなどのレアアースは、
  原料の地政学的リスクが高いことから、
  その使用に頼らない磁石の開発が強く
  求められています。
  ネオジム磁石は1982年に佐川 眞人
  氏により発明された世界最強の磁石で
  あり、ネオジム2:鉄14:ホウ素1
  という磁石化合物(Nd2Fe14B)
  を主成分とした磁石です。
  Nd2Fe14B化合物の高い
  異方性磁界注3)と高い磁化のために、
  ネオジム磁石は優れた磁石になります。
  新たに合成に成功した新規磁石化合物
  NdFe12Nxは、
  このNd2Fe14B化合物の
  レアアース量よりも10%も低い量で、
  同等以上の磁気特性を持つことが
  見いだされました。
 
3.これまでの研究で、NdFe11TiN
  は安定に合成できる磁石化合物として
  知られていました。
  しかし磁性を持たないTiが添加されて
  いるために、その磁化は
  Nd2Fe14Bよりも劣り、これまで
  ほとんど注目されませんでした。
  今回の研究では非磁性元素のTiを
  使わずにNdFe12Nx化合物の
  比較的厚い膜の合成に成功し、
  その固有物性値を測定したところ、
  これまで最強のNd2Fe14Bを
  凌ぐ磁気特性、つまり、室温でより
  高い異方性磁界(約8テスラ)、
  より高い飽和磁化注4)
  (5%の誤差で1.66テスラ)を
  持つことを発見しました。
 
4.この化合物の磁気特性は高温で
  Nd2Fe14Bを凌ぐことから、
  この化合物で磁石を作ることが
  できれば、ハイブリッド自動車用磁石
  で大量に使われているジスプロシウム
  を使わなくても優れた磁石特性が
  得られると期待されます。
  またNd2Fe14BではNdの
  質量比が27%であるのに対し、
  NdFe12NxではNdの質量比が
  わずか17%で済むために
  (x=1として算出)、レアアースの
  使用を大幅に削減でき、さらに高価な
  ホウ素を必要としないために、
  資源的・価格的に有利な化合物と
  言えます。
  今後、実用的な磁石の実現に向け、
  NdFe12Nxを粉で大量に作る
  方法や、その粉を磁石の形に固めて
  いくプロセスを開発して行きます。
 
5.本研究は、文部科学省 元素戦略
  プロジェクト<拠点形成型>により
  運営されている物質・材料研究機構
  元素戦略磁性材料研究拠点で行われ
  ました。
  新物質の磁化測定は独立行政法人
  科学技術振興機構(JST)
  戦略的創造研究推進事業 チーム型研究
  (CREST)「元素戦略を基軸
  とする物質・材料の革新的機能の創出」
  研究領域(研究総括:玉尾 皓平)
  における研究課題「ネオジム磁石の
  高保磁力化」の協力により行われ
  ました。本成果は、金属系材料の
  速報誌Scripta
  Materialiaに10月20日
  付けで掲載されます。
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 まだ実際の磁石が出来た訳では
ありませんが、期待が持てそうです。
 
>レアアースの使用を大幅に削減でき、
>さらに高価なホウ素を必要としない
>ために、資源的・価格的に有利な
>化合物と言えます。
 と言っています。
 
 レアアースレスのモータも何例か開発
されつつあるようですが、まだいずれも
製品化まで至っていないようです。
 
 一番近そうなのが、
2013年1月19日
 
 だと思うのですが、ニュースに
上がってきませんね。
 どうなっているのかな?
 
 日産リーフに搭載されているモーター
は「ジスプロシウム(Dy)」の使用量を
従来より40%削減したもののようですね。
 
 関連投稿です。
2012年11月23日
 
 とにかくより安価で高性能なモーターの
開発に期待しています。

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