東大、ピロリ菌への感染による胃がん発症に関連するマイクロRNAを発見
2014/09/08 マイナビニュース
詳細は、リンクを参照して下さい。
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東京大学は9月5日、ピロリ菌感染による
胃がん発症の鍵となるマイクロRNAを発見
したと発表した。
この成果は同大学医科学研究所の
氣駕恒太朗 特任研究員、三室仁美 准教授
と千葉大学真菌医学研究センターの
笹川千尋 特任教授らの研究グループによる
もので、英国科学誌
「Nature Communications」に掲載された。
ヒトの胃に慢性的に定着する細菌である
ピロリ菌は、胃に炎症を起こし、胃炎、
胃潰瘍、胃がんの原因となることが
知られている。
しかし、ピロリ菌がどのようにがん化に
重要と考えられている異常な細胞増殖を
誘導するのかわかっていなかった。
今回の研究では、スナネズミを用いた
実験などにより、ピロリ菌の感染に応答
するmiRNAとしてmiR-210を同定したという。
また、miR-210がSTMN1とDIMT1という
遺伝子を直接的な標的とし、細胞の増殖を
制御していることを示すことに成功した。
STMN1は胃がんを含む腫瘍形成の早期に
重要な遺伝子と考えられていることから、
ピロリ菌の慢性感染によってmiR-210が
減少し、細胞のがん化につながる可能性が
示唆されるとともに、同様に胃上皮増殖作用
を持つDIMT1も新たながん遺伝子である
という可能性も浮かんできたという。
同研究チームはこの研究結果について
「胃病態形成の理解を大きく深めた今回の
研究成果は、ピロリ菌による炎症誘発機構
や、胃がん発症の原因解明に役立つことが
大いに期待される」とコメント。
今後は、ピロリ菌がどのようにして
miR-210の発現を調節しているのか、
より精細な解析をすると共に、miR-210
や STMN1、DIMT1 を利用した胃がん検査
や治療へ貢献することを目指すという。
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やっとピロリ菌感染→胃がんの詳細
メカニズムの一端が解明されました。
現象としては、ずっと前から言われて
いたのに、その詳細は不明。
というのが多いこと。
こんなものなんですね、現代の医学は。
>マイクロRNA(miRNA)による遺伝子発現
>の制御が、がんを始めとするさまざまな
>生命現象に重要な役割を果たしている。
解析が大変ですね。
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