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2014年9月 5日 (金)

始動した夢の石油事業 採掘倍増、CO2も大幅減

2014/9/2 日本経済新聞
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 石炭火力発電所から出る二酸化炭素
(CO2)を使って油田を復活させる――。
 
 こんな世界初のプロジェクトが米国で
動き出す。
 
 温暖化対策に役立つだけでなく、地球上
の原油の可採埋蔵量を2倍に増やせる
可能性も秘めているという。
 
 手掛けるのは三菱重工業とJXグループ。
 
 日本の重工・エネルギー産業の両トップ
がタッグを組み、国産技術で世界のニーズ
の掘り起こしにかかる。
 
■石炭火力発電所が「宝の山」に
 
 三菱重工とJX日鉱日石開発は、
米テキサス州のW.A.パリッシュ石炭火力
発電所からCO2を回収し、同州の別の場所
にあるウェスト・ランチ油田に圧入する事業
に乗り出す。
 
 米大手電力NRGエナジーと共同で
専用プラントや約130キロメートルに及ぶ
CO2輸送パイプラインを建設し、油田の
生産量を日量500バレルから
同1万2000バレルまで20倍以上に増やす。
 
 いわば老朽化した油田を「復活」させる
プロジェクトだ。
 
 「CO2-EOR」と呼ばれるこの技術は
実はエネルギー業界ではよく知られている。
 
 EORとは「Enhanced Oil
 Recovery(石油増進回収法)」
のこと。
 
 地下にある油層に水や気体を圧入し、
内部の圧力を上げたり原油の性質を流れ
やすいように変えたりする。
 
 長く操業を続けた老朽油田でも、地下に
残っている原油を取り出しやすくなる。
 
 これまで原油生産などに伴って出てくる
天然のCO2を使うEORが米国などで実施
されてきた。
 
 だが使えるCO2の量が限られるため、
増産効果も限定的という課題があっ
た。
 
 そこで飯嶋氏らが注目したのが、
石炭火力発電所だ。
 
 CO2を大量に排出する石炭火力は環境的
には悪者だが、EORから見れば一転、
「宝の山」に変わり、CO2が足りない
という問題も解決する。
 
 だが実用化には多くのハードルが
待ち構えていた。
 
■実験重ね回収率90%超を達成
 
 具体的な開発に着手したのは1990年代。
 
 まず排ガスから効率的にCO2を回収
する吸収液の開発に取りかかった。
 
 新たな吸収液を開発。
 
 発電設備の納入で縁が深い関西電力と
実証プラントを設けて実験を繰り返し、
エネルギー消費量が小さい吸収液を
開発した。
 
 もう一つ、石炭火力に特有の課題が
あった。
 
 油田から出る天然のCO2と違い、石炭
を燃やした後の排ガスには多種多様な
不純物が含まれていることだ。
 
 総合機械メーカーの三菱重工は脱硫や
煤塵(ばいじん)除去など多くの
環境設備を手掛ける。
 
 社内のリソースをフル活用し、排ガスを
利用できる総合的なシステムを作り上げた。
 
 11年には米大手電力のサザンカンパニー
と共同で、アラバマ州の火力発電所で
実証実験を開始。
 
 1日500トンのCO2を回収し、2年半の
実験を通して回収率90%超を達成した。
 
 油田は一般的に、地下にある原油全体の
2~3割程度しか取り出せないが、EOR
を使えば6割程度まで高められると
いわれる。
 
 現在確認されている世界の原油の
可採埋蔵量は約1.6兆バレルだが、
EORでは1.3兆バレルの追加が可能という
試算もある。
 
 新たな油田を開発しなくても、既存の
油田を生かすだけで2倍近くになる計算だ。
 
 CO2-EORは世界の石油が枯渇する
懸念を和らげる可能性を秘める。
 
 CO2を大気に放出せずに地下に
とじ込めるCO2-EORには環境問題への
貢献も期待されている。
 
 今回のテキサス州の事業の場合、
CO2排出量を年約160万トン減らせる
見込み。
 
 これは25万世帯の年間CO2排出量に
相当し、東京都と同じ面積の森林を作る
のと同程度の効果が見込めるという。
 
 ただ、三菱重工の飯嶋氏は「環境のため
だけでなく、EORをやれば利益を出せる
から取り組む」と言い切る。
 
 今回の事業では10年間にわたって原油を
増産し、1000億円の事業費を回収して
利益を出す計画だ。
 
 世界展開を進めるためにも
「第1号プロジェクトを成功させる意味は
大きい」
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 凄いプロジェクトですね。
 
 リスクもかなりある。
 
>「CO2-EORは日本の技術が先行
>している。
>フロントランナーとして走り続けたい」
>(三菱重工の飯嶋氏)。
>こうした思いを実現し、世界で存在感を
>高めていけるかが注目だ。
 
 注目しましょう。

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