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2014年9月20日 (土)

2万2000人強の障害者を雇用するサムハル スウェーデンのサムハルCEO、ロンゲガード氏に聞く

2014年9月19日 日経ビジネス
 
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 約2万3000人いる従業員の2万2000人強が
障害者という企業がある。
 
 スウェーデンのサムハルだ。
 
 「社会の会社」という意味を持つ同社
は、「障害者のためにもきちんとした仕事
を提供し、社会を支える側のメンバーに
する」という崇高な理念のもと、政府が
1980年、100%出資して設立した。
 
 今やサムハルから派遣される従業員を
受け入れているのは家具大手のイケア
から中小企業まで様々。
 
 しかも毎年1000人以上がサムハルを卒業
して転職していくという。
 
 このほど来日した初の民間企業出身の
CEO(最高経営責任者)にその経営の
考え方を聞いた。
 
 
-----
 --- サムハルでは、あなたが初めての
民間企業出身の経営者だと聞きました。
 
 なぜサムハルは民間企業から経営者を
招いたのでしょうか。
 
 ロンゲガード:サムハルを取り巻く環境
が大きく変化しているからです。
 
 ご存じの通り、サムハルは政府が100%
所有するいわば国営企業です。
 
 ですから4年前、経営幹部のサーチ会社
が私に連絡してきて、「サムハルのCEO
(最高経営責任者)になる気は
ありませんか」と聞かれた時は、
「ありえない」と思いました。
 
 ビジネス重視で経営するという発想の
会社ではないと思っていたからです。
 
 しかし、私は間違っていました。
 
 サムハルは設立された当初は、
スウェーデン国内に「作業所」のような
場所を多く抱え、従業員はその全国にある
作業所で働くケースがほとんどでした。
 
 実際の世の中と直接、接するということ
はなかったわけです。
 
 作業所では委託されたものを製造したり、
一部では家具を生産、80年代~90年代には
その家具を日本に輸出していた時期も
ありました。
 
 しかし現在は、従業員の90%はお客様の
ところへ行って仕事をしています。
 
 百貨店やレストランに出向いて清掃作業
に従事したり、倉庫から商品を運んだり、
あるいはオフィスで郵便物の仕分けを
したりと様々です。
 
 スウェーデンの経済構造も変化したの
です。
 
 サムハルは今も自動車メーカーのボルボ
や家具大手のイケアの工場に人を派遣する
など、スウェーデンの製造業で存在感を
発揮していますが、ものづくりの仕事は
どんどん国外に流出し減っています。
 
 ですからサムハルももはや作業所
のようなものは抱えていません。
 
 やはり伸びているのはサービス業で、
そこでいかに仕事を開拓し契約を取って
いくか――。
 
 そのことが今は、サムハルの従業員に
仕事を確保していくための重要な
ポイントとなっています。
 
 --- つまり、サムハルでも顧客志向の
発想が求められるようになった…
 
 ロンゲガード:そうです。それはまさに
私が長年のキャリアの中で取り組んできた
ことなので、おもしろく感じられ、自分の
経験を生かせると思いました。
 
 サムハルの経営陣に初めて会って話を
聞き、彼らの求めている使命は確かに
難しい課題だと認識しました。
 
 しかし、私はサムハルのCEOに就任する
前は、G4Sという企業で数千人規模の
警備スタッフを抱える企業のCEOを務めて
いました。
 
 社員やスタッフの数が多い企業では、
どんな社風にするのか、何に重きを置く
会社にするのかを明確にして
リーダーシップを発揮していくことが
大切です。
 
 それこそがサムハルが必要としていた
ことですし、自分なら強みを発揮できる
と思い、CEOを引き受けたのです。
 
 
 政府からもらう補助金額は今や設立当初
の3分の1
 
 --- 「サムハルが抱えている使命は
難しい課題」というのは、やはり障害者の
方に仕事をみつけてくるのは容易ではない
ということでしょうか。
 
 ロンゲガード:はい。
 
 私が最も重視しているのは、つまり私の
最大のミッションは、契約をもっと取る
ことです。
 
 つまり、サムハルをもっと顧客志向の
会社に変えることで競争力を高め、
それによりサムハルの「従業員全員に
仕事を提供する」という創業時からの
使命を果たしていくことです。
 
 サムハルは、ほかの企業に人材を派遣
するという市場においては、同業の
ライバルと競争しているわけで、
その意味では普通の企業と変わりません。
 
 特別な企業ではなく、人材派遣という
業界で競合に負けないよう競争力を備えて
行く必要があります。
 
 しかし、後で説明しますが営業などを
担当している健常者の従業員約1000人を
除く約2万2000人全員が何らかの障害を
持っています。
 
 サムハルでは、自分では仕事を見つけ
られないという障害者だけを受け入れて
いるのですが、その50%以上が何らかの
精神面あるいは心の面で障害を持って
いたり、学習能力に問題を抱えていたり
します。何年も失業していた末にサムハル
に来たという人も少なくありません。
 
 普通の企業なら、ある分野に特化し、
そこでナンバー1を目指すこともできます
が、サムハルではできません。
 
 誰もが掃除をできるわけではないし、
全員が物流の仕事をできるわけでも
ありません。
 
 一人ひとりの能力、できることに
合わせて、それぞれにお客様がお金を
払ってくれるような仕事をみつけていく
必要があるのです。
 
 そのためにはもっと顧客志向の強い会社、
顧客重視へと進歩していくことで、
幅広い職種、仕事をみつけていくことが
問われているということです。
 
 --- しかし、サムハルはそうして自ら
稼ぐ力を身につけ、近年は設立当初に比べ
政府からもらう補助金も随分と少なく
なったと聞きます。
 
 ロンゲガード:設立された当初、政府
からもらう補助金の額は現在の3倍も
ありました。
 
 今では、サムハルの収入の3分の1以上
は、お客様に提供するサービスの対価
によって賄われています。
 
 最終的には、政府からの補助金とお客様
からの収入の比率を50:50にするのが目標
で、これを実現するには、もっと顧客志向
を高め、実際に役に立つ競争力ある
サービスを開拓し、仕事を確保していく
必要があります。
 
 そのためにサムハルは全国に営業拠点を
構え、今も新規顧客の開拓には常に力を
入れています。
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 凄いことですね。
 興味のある方は会員として続きをどうぞ、
 
 こういう会社が日本にあっても不思議
ではないはずです。
 
 障害者には作業所という固定観念しか
持てない人の発想です。
 
 まだ独り立ち出来る所までは行って
いないようですが、その努力は尊敬に
値すると思う。
 
 是非、日本でも実行して貰いたい。
 
 既投稿記事です。
2009年1月26日
 
 5年前の記事です。

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